相手をいたわる言葉。

それは、相手の人生をみて、聞いて初めて言葉に出る言葉です。

僕は、以前にカウンセリングの先生からこんなことを教わりました。

「いたわることばというのは、相手がこれまで歩んできた道に

思いを馳せれば自然とでてくるものです。」

と、そう教わりました。

 

ただ、なかなかそうはいかないんですよね。

自然と出て来たら、苦労はしないのです。

 

そこでこんな視点があります。

相手をいたわるにまずは自分から。

相手をいたわるにも、まずは自分をいたわれないと、

相手をいたわることもできません。

例えば、最近残業続きで一日3時間も残業をしているとしたときに、

友だちが、「いやぁ、おれ最近仕事忙しくてさ、毎日1時間も残ってるんだよ。」

と言ってきたら、ちょっとイラッとしないですか?

自分の方がもっと働いてるよ!って。

こんなことが結構起きるのです。それも相手をいたわろうとしたときに。

 

自分の方がもっとやっているよ…。

なんだそんなことか…。

といったように、自分と比べてしまって、

まだまだだと思ってしまうこと。

 

そして、いや自分の方がもっとやっているしといったように、

相手ではなくて、自分の方がもっと大変なんだから、

なんで相手をいたわらないといけないの?という気持ちが出てくる。

 

すると、意識が相手ではなく自分にいってしまいますから、

相手を到底いたわる言葉なんて出てこないのです。

だからこそ、相手をいたわる前にまずは自分を労わるのです。

自分の頑張ってきたことや、一生懸命やってきたことを労わるのです。

 

すると、自分の気持ちが落ち着いてきますので、

さっきの残業の話の時のように、自分の方が…。という気持ちが出てこなくなります。

そして…、何より大切なのは、

自分を労わるということは、自分が求めている言葉をかける。

ということなのです。

 

自分がどんな言葉を掛けてほしいかもわからないのに、

相手にどんな言葉を掛けてほしいかはわからないのです。

だから、相手をいたわろうと思った時は、

まずはそんなあなた自身をいたわってください。

 

きっと、少しでも力になりたくて、

楽になって欲しくて、一生懸命関わってきましたよね?

そんな自分をいたわってください。

・JCA カウンセリング・傾聴スクール 講師 
・カウンセリングルームこころ音 カウンセラー
元引きこもりのカウンセラー。現在は講師として、毎週(土)講義を行う。
都内のクリニックでカウンセリングも行っている。