傾聴力どうやったら聴く力がつくんでしょうか?

このように悩んでいる人がいた時に、

どうやって話を聞いて、

聞く力、つまり傾聴力をつけていけば、

相手の人の痛みに寄り添い、

その苦しみに、そして、

目の前の”乗り越えよう”としている人に、

寄り添うことができるんでしょうか?

今日は、いかにして傾聴力をつけていけばいいのかを、ご紹介していきます。

まずは相手の世界に入るペーシングを身につける。

まず、傾聴力を身につける上で大切になってくることは、

相手が安心して話してもらうことです。

この土台がなくては、相手は自分の本当の気持ちを話す準備が整わず、

自分の気持ちや心との対話が、安心してできません。

その為、最初のステップとして、このペーシングた大切になってきます。

 

もし、あなたがペーシングにより、相手が安心して話せる状態を、

相手と共につくり上げることができたら、

相手は、安心して自分自身の話をする事ができます。

安心

そして、なんだかこの人と話していると、

話しやすいなって、そう感じる瞬間が増えてきます。

そんな技術がペーシングです。

ペーシング:相手の話すスピードや、テンポ、リズム、声のトーン、表情、気持ちなどを合わせること。

これをペーシングといいます。

 

マラソンには、ペースランナーがいますね。

一定のタイムで走ってくれる人です。

その人に合わせて、リズムを作っていくわけです。

 

話を聞く時も同じです。

話をする人がペースランナーであり、自分のペースで話す人ですから、

相手のペースにまずは合わせる。

一緒に相手と同じリズムで走ってみる。(聴いてみる。)

同じ歩幅で走ってみる。(同じリズムで聴いてみる。)

相手と呼吸を合わせてみる。

時に、立ちどりまりそうな時もありますから、

そんな時は一緒に立ち止まって、どんな世界かを一緒に見ようとする。

 

それがペーシングです。

 

ペーシングにより、相手と同じ世界で話を聞いてみる。

それにより、相手はいつもと同じ状態で話せますから、

安心して話をしてくれるわけです。

 

そして、ペーシングが出来るようになると、

自分のリズムで話を聞かなくなるというメリットもあります。

ペーシングを練習するには○○を合わせるだけ。

さて、ではどうやってペーシングをしたらいいの?

という所ですが、まず簡単にできることは、

相槌を合わせることです。

 

相手と同じタイミングで頷くだけです。

ただ、頷く速度、深さ、タイミング、リズムを合わせます。

これを合わせると、呼吸も、話を聞く速度も、

相手と自然とあってくるのです。

 

なぜなら、頷いたタイミングで人は呼吸をするからです。

そして、頷くリズムと、話す速度は連動しているからです。

呼吸を合わせなさい、その為に相手の方の動きをみなさい。

って教えるところもありますが、それだと結構難しいのです(^^;

これなら簡単です。

 

また、意外とこれって難しいんですよ。

自分の頷く癖が出ますからね。

自分のアゴが止まらないのです(笑)

簡単にできますので、試してみてくださいね。

相手の気持ちをそのまま返してみる。

頷き

ペーシングが出来てきたら、次のステップです。

気持ちを受け取り、伝え返す感情反射

次のステップは、相手の気持ちをそのまま返してみる。です。

相手「昨日ね、ディズニーランドに行ってね。ちょ〜!楽しかったの(^ ^)」

あなた「まじ!ディズニー行ったの?めっちゃ楽しそうじゃん!いいなぁ。」

といったように、相手の楽しい気持ちをそのまま伝え返してみる。

これを感情反射といいます。

気持ちを受け取って、そのまま伝えす。

 

この時に、ペーシングは切らさずに、

言葉だけ、「楽しそうじゃん。」って言っても、

「あんた本当に思ってんの!?」って怒られちゃうから(^_^;)

ペーシングとは、相手と気持ちも合わせることですからね。

 

そして、何も楽しそうなことだけではなくて、

悲しそうなこともそうです。

相手「彼氏に振られちゃった…。何となくだけど、気づいてたんだ…こうなるって、でも実際なってみると、やっぱ悲しいね。」

あなた「そっか…。振られちゃったんだ…。わかっててもやっぱ悲しいよね。」

このように、相手の話を受け止めて、

その悲しさをそのまま伝え返す。

 

例えば、楽しいことであれば、

一緒に楽しんで聞いてくれているって思ってくれますし、

実際に聞く側も楽しんで聞くことで、話は盛り上がります。

「実際に」というのがポイントです。

「無理やり」楽しそうにしても意味がないですからね(汗

■感情反射の効果

感情をそのまま伝え返すことで、

相手はその悲しみの深さに気づいたり、

自分の気持ちに気づいていきます。

そうすることで、相手は自分の気持ちをさらに吟味できます。

また、理解されたという気持ちも強まりますから、

自己開示も進んでいきます。

感情反射の注意点

ただ、苦しかった体験や、

悲しかった経験や、寂しかった経験、

怒った経験などを、感情反射する際は、

ちょっと注意が必要です。

 

これらの気持ちを伝え返しすぎると、

その嫌な体験が思い出されて、

その体験が再体験されて、

余計にその嫌な気持ちが強まる事があるからです。

 

あくまで伝え返すのは、受け取っていますよ。

ということを伝える為であり、

その気持ちを相手が吟味できるように。です。

 

また、そういう一般的に言うネガティブな感情に対して、

無理に前を向かせる発言もあまりお勧めはしません。

「振り返った時に良かったって思えるよう。」

「〇〇ってことを学んだんじゃない。」

「そんなに落ち込んでるからダメだ。前向こう!」

といった言葉がけは、その渦中にいる人には、

ちょっぴり酷なのです。

前を向くのは、あくまで相手のタイミングで。

そして、振り返って良かったと思えるのは、

その気持ちを乗り越えたから言えるのであって、

まさに乗り越えようとする人に対しては、

苦しいかもしれないのです。

 

さて、感情反射は技術ではありますが、技術だけでは意味がありません。

相手に関心を持って、

理解しようと思って初めて出てくる言葉なのかなと、

個人的には思っています。

何よりその気持ちがないと、

形式上の言葉だけになってしまいますから。

言葉は言霊ですからね。

 

「どうしてそんなに楽しんだろ?」

「どうしてそんなに悲しいんだろう?」

そんな関心を持って、

「相手」の楽しさや、悲しさを知ろうとする。

これが、あなたの楽しさなんだ!

これがあなたの悲しみなんだ…。

 

傾聴のベースは何より、この相手に興味を持つこと。

それを忘れちゃうと、結局聴けないんです。

(自戒も込めて。)

それでは、ペーシングを身につけ、感情反射を身につけていったら、

今度は、次のステップです。

次は受け身ではなくて、能動的にな行動です。

話を聴く時に必ずすること、でも9割の人が出来てないこと。

話を聴く時に必ずすることってなんだと思いますか?

うなづくこと?それもありますね。

声をかけること。もちろんそれも。

相手の目を見ること。もちろんですとも。

 

さて、思いつきましたか?

答えは「質問」です。

 

「昨日は何してたん?」

「どうしてそんなことになったの?」

「ねぇ、ねぇ、なんで空は青いの?」

 

と言ったように、話を聴く時に僕たちは、

必ず質問をします。

多くの人は質問するまではできます。

ただ、そのあとに大切なことをしていなんです。

 

カウンセラーは、ここをしています。

だから、質問をしても相手にかかる負担を和らげることができます。

だから、相手の気持ちをおざなりにせずに、話を進めることができます。

だから、相手の気持ちにタッチすることができます。

 

もし、これができれば、上述のようなことができますし、

より相手の気持ちにそって話を進める事ができます。

 

それは、何でしょう?

 

答えは、「ケア」をすることです。

いたってシンプルです。

itawaru

でも、多くの人はこれが出来ていません。

 

あなた「ねぇ、いつからその悩みを抱えているの?」

相手「そうだなぁ、もう半年前からかな、、、。そのころさ、仕事もうまくいってんだけど、友だちと大喧嘩しちゃってさ、

ひどい事言って傷つけてしまったんだ。それから、疎遠になって連絡も取れなくなって、同じ時期くらいにさ、

お客さんにも、あなたはもっと人のこと考えて発言した方がいいよって怒られちゃって、あれは堪えたな…。またかって…。俺はまた同じい事をしたのかって…。」

あなた「そっか。そんな事があったんだね。そのその友達とは今も疎遠なの?」

相手「うん。」

あなた「そっか、いろいろ重なっちゃったね。もう連絡取れないの?」

相手「取れないというか、取らないというか…。怖いというか…。」

 

といったような会話って良くありませんか?

良くはないかもしれませんが(^^;

このような会話は多くあります。

 

質問を投げかけて、相手が答えてくれたことに関して、

ケアをせずに、自分の興味関心から次の質問へと移ってしまうことです。

 

ここで一つ大切なことをお伝えすると、

質問って実は相手に負担をかけちゃうんです。

なぜかというと、質問すると答えなきゃいけない強制力があります。

もちろん、答えないという選択肢もありますが、

あまりその選択肢を選ぶ人はいません。

 

そして、上記のような会話の場合、

「いつからその悩みを抱えているの?」

の質問に対して、半年前の出来事をその質問によって思い出しているわけです。

つまり、その時のことをある種”再体験”しているわけですね。

 

すると、程度の差こそあれ、当時の思い出を思い出すのです。

すると、ちょっと心理的に負担がかかってしまうのです。

 

そして、負担を掛けたのなら、それを話してくれた相手に対して、

その気持ちをケアをする。

それってとっても大切なんです。

質問したら同時にケアもする。

これが聴く時に大切です。

 

さっきの例だと、最初の質問で、半年前のことを思い出したら、

「そっか、誰かを傷つけてしまった痛みは、自分じゃないからこそ、尚更辛いね。

何より傷つけてしまったことは、取り戻せないと知っているからこそ、痛いね…。

ずっと一人で抱えてきたんだ。自分の痛みも相手を傷つけてしまった痛みも。

話してくれてありがとね。」

といったように、相手の気持ちのケアが大切です。

こんなに長文でなくても、

 

「気づかなくてごめんね。そんな事があったなんてしらなかったよ。話してくれてありがとう。」

「そっか、ずっと傷つけてしまった痛みと向き合ってきたんだね。

その痛みの強さは、その人たちへの思いの強さなのかもしれないね。」

「きっとその友人やお客さんも辛かっただろうけれど、半年責め続けてきたあなたも辛かったね。」

 

といったように、ケアすることが大切です。

質問するのは、聴きたい情報を引き出す為もあるけkれど、

相手が答えてくれた内容は、情報ではなくて、

気持がこもった答えで、その背景には人生がある。

 

ついつい忘れちゃいがちだけれど、

忘れずにいたいですね。

まとめ

傾聴力を身につけていくには、

・相手の世界に入るペーシングがまずは大切です。

それにより、安心して話してもらう空間をつくること、

自分のタイミングで話を聞くのではなく、相手のタイミングで聴けること、

相手の気持ちにもペースを合わせることが大切です。

 

それが出来たら、次は相手の気持ちを伝え返してみる。

・感情反射というのをお伝えしましたね。

気持ちを受け止めて、それを伝え返す。

それにより、相手はその悲しみの深さに気づいたり、

自分の気持ちに気づいていきます。

そうすることで、相手は自分の気持ちをさらに吟味できます。

また、理解されたという気持ちも強まり、自己開示も進んでいきます。

 

そして、次は「質問」と「ケア」を同時に行っていくこと。

・質問は相手に負担をかける行為ですので、

答えてくれた言葉は情報ではなく、その人の人生や思いが込められています。

そして、嫌なことも再体験しますから、ケア=相手をいたわる。

という事が大切です。

 

傾聴力というのは、すぐに身につくものでは、残念ながらありません。

一つ一つ取り組んでいって、身につけていくことが大切です。

また、「先生!傾聴ってなんですか?」でもお伝えしたが、

技術だけ身につけても、意味があまりありません。

 

聴くということは、相手を理解しようとすることですから。

その為の術として、傾聴があるんだと僕は思っています。

 

さて、傾聴について学んでみたいな?と思ったら、

横浜 傾聴基礎コースへお越しくださいね。

無料の実践心理学教室でも傾聴入門編をお伝えしています。

・JCA カウンセリング・傾聴スクール 講師 
・カウンセリングルームこころ音 カウンセラー
元引きこもりのカウンセラー。現在は講師として、毎週(土)講義を行う。
都内のクリニックでカウンセリングも行っている。