伝える力、聞く力はこう育てる!

前回の記事(聞く力、伝える力はこう育む!①)で、

コミュニケーションというのは、

”伝える力”と”聞く力”の両方が大切ですよ。

そして、伝える力を育むには相手のどこに意識を傾けるかが大切です。

その為に、ニューロ・ロジカルレベル(右図)の説明をしましたね。

さて、前回は”伝える力”までで話がおわってしまったので、

今回のテーマは「聞く力」です。

聞く力

これも伝える力と同様に、相手のどこの意識を傾けて

話を聞くのかということが肝になってきます。

つまり、相手の環境・行動・能力・信念/価値観・自己認識

のどこに意識を向けて話を聞くのかが大切だということです。

悩みは色々なレベルであらわれます。

環境というと、

職場が残業が多くてとか、過程では喧嘩がたえなくて、

経済的にお金がなくて、人の目が気になってなどです。

行動でいうと、

あの人に好きっていいたいけど言えない、

会社を辞めるという行動をしたいけど、できない。

あの人に、自分の意見をいいたいけど、喧嘩になりそうだから言えない。

電車にのることができないなどです。

能力というと、

営業力を身につけたいとか、

ミスをせずに仕事のスピードを上げたいとか、

聞く力を身につけたい、学力を上げたいとか。

価値観でいうと、

丁寧に仕事をしたいんだけど、効率重視な職場で、

自分の思うように仕事ができない。

新しいものを取り入れたいんだけれど、

伝統を重んじる会社で…。

思ったら正直にいうタイプじゃないから、

すぐに怒られるんだよね。いつもあなたは言いたいこと言わないって。

自己認識でいうと、

私は、仕事ができない人間だ、こんな自分が嫌だ。

私なんて愛される価値がない人間なんだ。

といったように、人は様々なレベルで悩みを抱えます。

どこに意識を傾けて人の話を聞けばいいのか?

という疑問がでてくると思います。

悩みに関して言えば、

行動か信念・価値観に意識を傾けて話を聞くことです。

多くの人は、「あるAという行動ができなくて」悩んでいます。

そして、そのAという行動ができない理由は

信念・価値観が邪魔をしているからというケースが多いのです。

ある行動が出来ないのは、価値観が邪魔をしている。

どういうことかというと、例を挙げてみていきましょうね。

Cさんは、ダイエットが続かなくて悩んでいます。

1週間は持つんだけれど、なんだか続かない。

そんな行動レベルで悩みを抱えています。

この時に、その行動が続かない理由

つまり、ダイエットを継続するのを妨げている信念や価値観がある。

と考えてみる事です。

何がそのダイエットをするのを妨げているのか?という視点です。

そこで、あなたはこんな質問をします。

「ダイエット1週間以上続かないみたいだけど、

何か引っかかっていることがあるの?」

「何かダイエットをするの上で障害になっていることがあるの?」

と妨げているものを聞いてみました。

すると、Cさんは、こんな答えを返してくれました。

「障害ね~、痩せたい気持ちはあるんだよ。」

「ただね、食事制限をしたりしてまでダイエットするっていうのはさ

なんだか、自分を犠牲にして、他の楽しみにまで奪ってしまっているようで、

なんだか嫌な気がするんだよね。」

と答えてくれたとします。

この回答で分かるのは、自分の楽しみを生活するうえで大切にしたい。

というCさんの価値観が出てきたわけです。

行動の裏には、~ができないという裏には、

その人が大切にしている価値観があるのです。

逆もまたしかりです。

価値観で悩んでいるのは、その価値観を大切にする行動ができてないから。

価値観で悩んでいるのは、

その価値観を大切にする行動が出来ていないからです。

例えば、Aさんは、

新しい風をどんどん入れたい人、安定より挑戦が好きな人です。

最近知り合ったBさんは、真逆の人、安定志向で、

落ち着いた生活を望んでいる。

そんな折、二人はであいお互いに好意を持つようになる。

お互いに持ってないものに惹かれあったとします。

しかし、ある時に喧嘩になり、

「あなたといると、いつも新鮮だけど、疲れちゃうの…」

「何でだよ、新しいことに一緒に挑戦するって大切じゃないか。」

「お互いに付き合うって、刺激をしあって新しい世界にいくってことだろ。」

「はぁ、だから合わないのかな。

付き合うっていうのは、お互い一緒に落ち着く時間を過ごす事じゃないの?」

なんてことになってしまったとしましょう。

Aさんとしては、

付き合うということは、刺激をしあって新しい世界をつくっていくこと。

Bさんとしては、

付き合うという事は、お互いに一緒に落ち着く時間を過ごすこと。

という価値観の違いが出てしまいました。

この場合に悩むのは、そこで、あなたに相談に来たとします。

「Bと価値観が合わないんだよ。」

そんな相談です。

この時に、結局どこが合わないとあなたは聞くでしょう。

それはどの価値観がどのように合わないかを聞きたいからですね。

そして、その回答が出てた後に、

”そのせいで何ができなくて困っているの?”

という行動レベルに落とし込んで質問をしてみると、

結局合わない事により、どんなことができていないのか。

そして、どんなことを本当はしたかったのか?

だから悩んでいるのか。という流れが見えてきます。

例えば、この例でいうと、

”そのせいで何が出来なくて困っているの?”と聞くと

「俺としては、もっとBとさ、一緒に新しい初めての経験をしたいんだよ。」

「でもさ、あいつは新しいことよりも、今まで行ったところとか、

何度行っても飽きないから、また同じところにいったり、部屋でまったりが好きなんだよ。」

「でもね、おれはね本当はさ、同じところとか飽きちゃうからだめなんだよ。」

「では、本当はどうしたいの?」(あなたの質問です。)

「本当は、教えたいんだよね、こんな良いところもあるよって、

新しいものの中にも落ち着く時間はあるんだよって。」

このように答えてくれるかもしれない。

価値観の違いや、価値観レベルで悩んでいることでも、

その背後には、その価値観を大切にする行動が出来ないから悩むのです。

まとめ

悩みを聞く時に、大切な二つの視点をお話しました。

相手の行動は、価値観の表れであるということ。

~ができなくて、悩んでいるということは、

~という行動ができなくて悩んでいるということです。

そして、その行動が出来ない背景には、

価値観が妨げている場面が多くある為、

何が妨げになっているのかを聞くこと。

すると、相手が大切にしている価値観が出てきます。

また、価値観の違いで悩んでいたとしても、

その価値観を大切にする”行動”ができなくて、

悩んでいるということ。

そして、本当はしたい行動が隠れていること。

以上の2点をお伝えしました。

悩みを聞く上で、一つの指針としてみてくださいね。

何かに悩んでいる時、行動レベルの話をしたら、

その行動の背景には、価値観が隠れている。

価値観の話をしたら、

その価値観を大切にする行動が隠れていて、

悩んでいる場合はそれができていない。

これらの点を意識して聞いてみてくださいね。

・JCA カウンセリング・傾聴スクール 講師 
・カウンセリングルームこころ音 カウンセラー
元引きこもりのカウンセラー。現在は講師として、毎週(土)講義を行う。
都内のクリニックでカウンセリングも行っている。