人の話をしっかり聞く

人の話をしっかりと聞く。

 

これって結構難しいのです。

 

なぜ難しいかというと、

「人の話をしっかり聞けるようになりたい」

という思いを持っている方って

誰かから「人の話をしっかり聞きなさい。」

と言われた事があったり、

「やっぱり人の話を聞いてないじゃない。」

と言われた事がある方が多いからです。

 

そしてこれがなぜ難しいかというと、

そもそも人の話をしっかりと聞くとは、

何を意味しているのか?

その定義がその言葉を言った方によって違うからです。

ある人からしたら内容レベルを表しているかもしれないですし、

内容はわかってもらっているが、

非言語レベルで聞いてもらっている感じがしないのか、

はたまた、内容も分かってもらっているし、

非言語で受け止めてくれている感もあるが、

理解して欲しい感情がずれてるのか

といったように、

相手がどれを指して

「人の話を聞いてない。」

と言っているのかがわからないのです。

 

ただ、多くの人は、

こういったことを細かく言ってくれません。

 

ですから、

自分がどこが出来てなくて、

どこを伸ばしていけばいいのかを

あまり自覚することがなく、

自分なりに改善をしようとして、

空回りをしてしまうことがあるのです。

 

その為、最初はどこを自分は改善すべきなのかに

気づくことから始める事が大切なのです。

前置きが長くなりましたが、

今日はその改善ポイントのお話をしていきます。

内容の理解を改善する。

人の話が聞けてないという理由の一つは、

内容レベルで理解ができてない

という事があります。

 

内容レベルの理解とは、

相手の話の内容や伝えたい内容の理解のことです。

この相手が言いたいことと、

自分の理解に相違があると、

人の話を聞いていた?

と言われてしまうのです。

 

こういった相違がある時というのは、

自分なりの理解が強くなってしまっている時です。

 

つまり相手の言葉を自分なりに解釈してしまい、

コミュニケーションギャップが生じている状態です。

例えば、上司に

「この仕事明日までやっといて。」

と言われて、

明日の午後の定時少し前に仕上げたのに、

怒られてしまうことがあります。

 

それは、その上司にとって

「明日は、午前中」を意味していて、

部下としては「明日は、定時まで」

を意味していたといったように、

互いの認識の相違が生じている状態なのです。

 

コミュニケーションにおいては、

このように自分なりの理解が先行して、

相手が言わんとしていることを

誤解してしまうことがあるのです。

 

これを改善するには、

相手の話を絵を描きながら聞くことです。

 

つまり自分なりに思い描いた相手の世界を、

限りなく相手が本当に描いている世界と

限りなく近づけるということです。

 

その時に大切なコミュニケーションが

≪確認を取る≫ということです。

 

「▲▼ということは、○○ということでよろしいでしょうか?」

「○○という意味で合っていますか?」

といったように、自分の理解が正しいかを確認していきます。

 

そうすることで、少しずつコミュニケーションのギャップが少なくなっていくのです。

 

しっかり聞く為に、しっかり誤解のないように聞いていく、

これもとても大切なことなのです。

 

さて、内容を理解できたとしても、

人からまた「いや、言いたいことはそうだけど、ちゃんと聞いていた?」と言われることがあります。

それはなぜかというと次のようなことが考えられるのです。

聞く姿勢を整える。

僕たちが受けとるメッセージというのは、

言語的メッセージ(言葉の内容)と、

非言語メッセージ(感情、状態など)があり、

聞く態度や姿勢というのは、

非言語部分ですが、その部分が相手からしたら、

聞いてもらっていないと判定される状態であったということなのです。

 

ですから、相手の話を「しっかりと相手の話を聞く」為には、

相手に言語レベルでわかったことを伝えると共に、

きちんと聞いている、

あなたのメッセージを受け取っていますよ

といったことを非言語レベルで伝える必要があるのです。

 

その場合は、きちんと目を見て聞く、

表情などもペーシングをして聞く、

ながら作業をして聞かない。

 

といったように、基本的な聞く姿勢を身につけることが大切なのです。

最後まで話を聞く。

さてさて、人の話をしっかりと聞く為には、

相手の話を最後まで聞くことも大切です。

 

ちゃんと内容も理解しているし、

聞く態度も整っていたとしても、

しっかりと聞いてもらっていないと言うときは、

話を中断して、

自分の話をしてしまって、

話の主役を取ってしまっている事があります。

 

人は話を聞いていると、

ついつい自分が言いたいことや、

話したいことや、

気になったことを聞きたくなってしまう事が多いのです。

 

自分の話をすること自体は悪くありませんが、

それによって話の主役が自分になったり、

相手が自分の話を

最後までできなくなったりすることが、

ちょっとだけ問題なのです。

 

また、自分が気になったことを聞いたり、

聞きたいことを聞くことも同様で、

それが本筋と関係していればいいですが、

関係してない場合は、

その質問で本筋と逸れてしまいますから、

結果的に相手が最後まで話ができなくなってしまって、

「やっぱり聞いてもらえてない。」

となってしまうのです。

 

ただ、日常会話ではこういった自分の話をしたり、

聞きたいことを聞くということは大切ですからね。

 

ここで話をしているのは、

悩みや大切なお話や相手が聞いて欲しいっていう時の聞き方です。

 

さて、ちょっと話を戻しましょう。

では、今話したような場合はどうしたらいいんでしょう?

こういった場合は、

まず自分のそういった癖を自覚することと、

最後まで自分の話をせずに、

しっかりと聞こうと意識することです。

 

また、それでもついつい自分の話や、

メインのテーマからずれた質問をしてしまうかもしれません。

 

そういった時は、また話のテーマをメインに戻せば大丈夫です。

 

「あ、ごめんね。話とっちゃったね。それでさっきの◯◯の話の続きを聞かせてもらってもいい?」

といったようにです。

感情レベルで理解をする。

さて、内容の理解もできて聞く姿勢も整えて、

最後まで聞くことができたとしても、

「しっかり聞いてもらっていない。」

と相手が感じてしまう場合は、

感情レベルで理解ができていない可能性があります。

 

相手が伝えたいメッセージというのは、

内容レベルのものと感情レベルのものがありますので、

その感情レベルのものを理解できていない可能性があるのです。

 

仕事上の話や報告や連絡など以外の例えば日常会話や、

悩み相談などでは内容レベルの理解よりも、

感情レベルでの理解のほうが優先される可能性が高いのです。

 

ですから感情レベルでの理解、

つまり、相手があなたに対して最も分かってほしい感情を理解することが大切なのです。

 

このもっとも分かって欲しい気持ちは、

どこに表れてくるかというと、言語にも表れますが、

如何にその言語を話すかの非言語にも強く表れます。

 

具体的には声のトーンやテンポ、表情、しぐさなどの非言語です。

 

内容の理解の他に、相手の気持ちを理解していくには、

こういった非言語を聴くトレーニングが大切なのです。

 

とはいえ、いきなりは難しいかもしれませんので、

トレーニングをしたい方は、傾聴基礎コースで行っていますので、

もしご興味があればお越しくださいね。

伝える側の技術の問題もある。

さて、これまで人の話をしっかりと聞けるようになる

ということで記事を書いてきましたが、

そもそも伝え手側の伝える技術の問題がある時も実は間々あります。

 

つまり、伝え手側のコミュニケーション自体に問題があるケースです。

 

そういった場合は、そもそも伝え手側がしっかりと明確な内容や指示を伝えていない。

汲み取ってほしい気持ちが強すぎて、

ポイントを伝えていないといったことも考えられますから、

聞き手に責任がある場合ではないケースも間々あるのです。

 

ですから、しっかりと聞けてないと言われる理由が

あなたのせいではない場合もありますから、

「しっかり聞いてないじゃない。」と言われた時に、

その点も考慮してみてみてくださいね。

まとめ

さてさて、少し長くなりましたが人の話をしっかりと聞く為には、

どのようにしていったらいいのか

そのコツを4つご紹介してきました。

 

どれか一つでも工夫できそうなものがあったら、

実践してみて下さいね。

・JCA カウンセリング・傾聴スクール 講師 
・カウンセリングルームこころ音 カウンセラー
元引きこもりのカウンセラー。現在は講師として、毎週(土)講義を行う。
都内のクリニックでカウンセリングも行っている。