話を聞くトレーニングをする際に、
オウム返しといって言葉を繰り返す
といったスキルを身につけることも大切ですが、
そういったスキルを身につけるよりもまずは、
相手にしっかりと自分の話をしてもらう
といったことを心掛ける所から始めていくことの方が大切です。
最初から聞く技術を学ぶと技術ばかりに意識が行ってしまって、
本来の目的である話を聞くということがおろそかになってしまいます。
そもそも聞く技術を学びたいと思ったキッカケは、
相手によく話をしてもらいたい、
相手の気持ちや本音を聞きたいといったことが多いでしょうから、
その最初のステップは、
技術的にその語ってもらうスキルや質問、言葉がけを学ぶ前に、
相手に自分の話を最後まで語ってもらうということから始めることが大切なのです。
「何をそんな簡単なことを…。」
と感じる方もいるかもしれませんが、
これって案外に難しいのですよ。
・話を途中で遮る。
・相手の話を取る。
・最後まで聞かずに「こういうことでしょ。」と要約してしまう。
・否定したり、求められてないのに自分の意見をはさむ。
こういったことを知らず知らずのうちにしていませんか?
日常会話を見ると上記のような場面に遭遇することがよくあります。
僕たちは聞いているようで、相手の話を取ってしまっていたり、
遮ったり、自分の話をしてしまったりすることがありますから、
まずは話を取らずに最後まで聞くということから始めるということが、
聞く力を育んでいく一番最初の一歩となります。
相手が自分の話を気持ちよく最後まで話せるように、
・話を取らない。
・アドバイスはしない。
・勝手にまとめない。
・否定しない。
・自分の話をしない。
この5つのことを意識して聞いてみてください。
ではなぜこういったことがダメなのか簡単に説明していきましょう。
話を取ってはいけない理由。
日常会話であれば問題ありませんが、
例えばカウンセリングとか悩み相談やお客様とお話をしているような場面では、
主役は聞き手ではなく話し手です。
これは自分の話をしないということにも共通するのですが、
聞き手が話を取ってしまって自分の話をしてしまうと、
主役が交代してしまいます。
そして話に詰まってきたり相手の話をうまく聞けてないと感じると、
自分の経験談を話して自分はこうだった、
だからあなたもこうした方がいいといったアドバイスの方へと進むことが多いのです。
すると相手からすると、
自分の経験を当てはめられたと感じますし、
理解してくれていないと感じる比率が多くもなりますし、
自分の話をする時間が減っても来ており、
聞いて貰えていないと感じる量も増えていってしまうのです。
アドバイスはしない。
アドバイスは話を聞いている際は、極力しないようにしましょう。
勿論求められた場合は別ですが、
アドバイスをしてもあまりうまくいかないケースの方が多いです。
よっぽど的を得たアドバイスであれば、
相手も聞く耳をもってやってくれる場合がありますが、
ほとんどの場合、自分の経験談を引っ張り出して
自分だったらこうするといったような、
相手の個別性をあまり含まないアドバイスであることが多く、
本人として到底できないと感じるようなことも多く含まれていることが多いのです。
そういった点から、この人は自分のことを理解してくれていないな
と感じることに繋がって嶋宇ことがあるのです。
勝手にまとめない。
プライベートでは、僕も時間がない時などはこれをしてしまいます。
どういうことかというと、話が長くなっていたり、
ゆっくり聞く時間がない時などは、
「それって○○ということだよね?」
と話の要点だけをピックアップして伝え返すということです。
他にも「結局○○だったんでしょ?」といったように、
相手が最後まで話してないのに、聞き手側がまとめてしまうのです。
すると相手からすると話を中断させられた、
最後まで聞いてくれなかったという印象にもなりますし、
要約されたポイントが理解して欲しかったポイントではない場合もあります。
するとますます聞いてくれていないという印象を強めて、
話してくれなくなってしまいます。
また、要約が要点を得ていたとしても、
人はそういった話の過程をしっかりと聞いて欲しかったり、
共感して欲しいという欲求を持っていますから、
「確かにそうなんだけどさ…。最後まで”きちんと”聞いてよ。」
という不満が残ってしまうのです。
ですから人の話をしっかりと聞く時は、
不用意にまとめすぎないで最後まで相手に語ってもらうことを心掛けていきましょう。
否定しない。
人の話を聞いていると、自分の価値観にそぐわない話が出てくることもあります。
そういった時、人は相手のその話に対して否定的に反応しがちです。
「いや、その考えは間違っているんじゃない。」
といったようにです。
すると、その頭に浮かんだ考えがそのまま言葉としてでて、
相手に伝えてしまうことがあります。
それを聞いた相手は、
自分の考えや感じていることはダメなのだとそのように感じてしまい、
落ち込んでしまうことや話す気持ちがなくなってしまうこともあります。
こういったことは、相手が感じている内的な世界観を否定することに繋がります。
すると勇気をもって伝えてくれたその世界の話をしてくれなくなってしまうのです。
人は、この世界をそれぞのその人なりにユニークに体験し、
その人なりのユニークな世界観を持っています。
そしてその世界観がぐらついてしまうようなことが起きた時、
人は悩むのです。
否定をするということはもしかしたら、
その世界観をそのぐらつかせた人と同じようにぐらつかせてしまうことにもなりかねないのです。
ですから納得しなくてもかまいませんから、
その世界観を理解することに努めていきましょう。
まとめ
さて、いかがでしたでしょうか?
人の話を聞く最初の一歩として、話を取らずに最後まで聞くということをお話させていただきました。
いきなり全部意識することは難しいと思いますから、
まずは出来る所から挑戦してみてくださいね。