会話で視線のやり場に困った時の対処方法

話を聞く時に視線のやり場に困ることがありますよね。

ずっと相手の目を見て話を聞くわけにはいけないし、

かといって視線を逸らしてばかりいても

「ちゃんと聞いているのかな?」と見られそうだし…。

 

そんな声を講義をしていると聞く事があります。

 

このような声が出てくるのは当然です。

というのも僕たちは小さい頃から

「人の話を聞く時は、しっかりと相手の目を見なさい。」

と教育を受けていますからね。

 

ただ目と目を合わせるのは緊張しちゃいますよね。

 

そんな時にどのように対処したらいいのかを今日は簡単にお話していきます。

実はカウンセラーは目を見ていない。

ちょっと本題に入る前に、カウンセラーはどこを見て話を聞いてるのか

ということをご紹介したいと思います。

 

少し語弊があるかもしれませんが、

誤解を恐れずに言うと、

カウンセラーはあまり目を見て話を聞いていません。

 

じゃ~どこを見ているのか?というと、

色々と全部見ています。(汗

 

身振り手振り、姿勢、足の動き、相槌深さ等々

全身を見ているわけです。

 

ただ、全身を見る時に一点に集中すると全体が見えませんから、

一点を見るのではなく何となく全体をぼや~っと見ているのです。

 

車を運転する時と同じ目の使い方です。

車で一点ばかりを見ていると事故になってしまいますよね。

ですから、何となく全体をぼやっとみているじゃないですか、

そんな目の使い方をしています。

 

この目の使い方を周辺視野といいます。

 

目の前の相手そのものにフォーカスが合っているのではなく、

相手のさらに奥にフォーカスが合っている感じです。

 

そうすると、相手の全体像が見えてきます。

するとあまり相手と目が合っているという印象が薄れます。

 

ただ、このやり方をすると慣れないうちは、

ちょっと聞く力が一時的に落ちるかもしれません。(汗

その為、もしやってみてちょっと…と思ったら他のを試してみて下さいね。

ではでは本題にいきましょう。

目を見るのではなく、眉間や頬を見る。

視線のやり場に困るという方の多くは、

目を見ていると「なんか気まずい…。」という印象があるからだと思いますし、

目を見て聞くと緊張してしまうということもあると思います。

 

そうった場合は、自分の目線を相手の目に合わせるのではなく、

相手の眉間に合わせて話を聞くようにするだけでも、

大分聞いている印象が変わります。

 

「でも眉間を見ていると、目が合ってないと思われないの?」

と思う方もいるかしれません。

でもそんな方もご安心ください。

 

聞き手側はそう思いますが、

あなたが眉間を見ていても、

相手からしたらあなたの目のフォーカスは、

自分の目にいっていると感じてくれます。

 

眉間に合わせてもやはりちょっと緊張しちゃう…。

そんな方は、相手の目のちょっと下の両頬辺りでも大丈夫です。

効果は同じですから、お好きな方をやってみて下さいね。

 

どちらもそれだけで聞く時に楽になるものですよ。

座る位置を調整する。

さて、その他の工夫として、

座る位置をずらす事が出来る場所であれば、

座る位置を相手とちょっとズラすことです。

 

僕たちは真正面に座って話を聞きますが、

それだと視線を逸らしづらく、

相手が話しづらいこともありますから、

ちょっとだけ斜め横(左右どちらでも可)にずれるのです。

 

すると、例えばお互いに正面を向いた時に

視線が交わらずにすみますから、

それだけでも楽になります。

 

また、少しズレていれば、

何気なく正面を向いて考えたりとか、

そういったしぐさをした時に、

正面にお互いの顔が来ませんから、

自然と視線が逸れてお互いにちょっと楽になるのです。

視線を落としたり、逸らすタイミングを合わせる。

さてさて、次の工夫は相手と同じタイミングで自分も視線を落としたり、

相手がちょっと考えるしぐさをしたら自分も考えるふりをして、

別の方向を向いたりすることです。

 

このように相手とタイミングを揃えて視線を落としたり、

逸らしたりすると、自然と視線を相手から逸らす事が出来ますし、

相手に合わせていますから、

きちんと聞いていないなという印象を持たれることはありません。

 

ただ、相手からじっと見られていた場合や、

相手があまり視線をそらさない場合は、

このテクニックは使えません。

 

その場合は、自ら視線を逸らしていくことになりますが、

その際は座りなおすタイミングで視線を落としたり、

ちょっと考えるしぐさをして視線を変えたりすることで、

視線休めをすることが出来ます。

飲み物を飲んだり、食事をしながら話をする。

さて、最後の工夫は食事をしながら話をするです。

カフェやご飯を食べている時などは、

飲み物がありますから、

その飲み物を使って視線をそらします。

 

「そうだよね~。」など頷きながら飲み物を取って口に運びますが、

その時に飲み物に目をやることができますので、

視線をその飲み物に持っていくことで、

少し視線休めになります。

 

また、友人同士であればご飯を食べながらでもいいでしょうし、

何かお菓子を食べながらとか、

何かをお互いに食べながら話をするのもおすすめです。

 

最後にちょっと食事とは逸れますが、

カウンセリングの場合は、

テーブルに小さいカレンダーを置いたりすることがありますが、

そういった小物があると、

日程の話になった時にカレンダーを使って、

目線休めをしたり、

「えっと、この日でしたっけ?」といったように、

カレンダーを使って話を進めたりできます。

 

そういった小物を使ってみても良いですね。

まとめ

さていかがでしたでしょうか?

会話で視線のやり場に困った時の対処方法をいくつかご紹介させて頂きました。

この中で一つでもやってみてもいいかな?と思うものがあったら試してみて下さいね。

・JCA カウンセリング・傾聴スクール 講師 
・カウンセリングルームこころ音 カウンセラー
元引きこもりのカウンセラー。現在は講師として、毎週(土)講義を行う。
都内のクリニックでカウンセリングも行っている。