日常生活で繰り返される質問ですが、
意外と意識しないのが、
「それは誰のための質問なのか?」
ということです。
何気なく質問をしていて、
相手の為に聞いているはずが、
実はそれは自分の為だったり、
自分の為に聞いていると思ったことが、
実は相手の為だったりすることがよくあります。
そしてそもそも誰のための質問かも意識しないで、
質問することが多いので、そういうことに気づかない。
なんてケースも多かったりします。
ただ、質問力をつけていくには、
質問が「相手の為」のものなのか「自分の為」のものなのかを、
明確にしていくことが大切です。
自分の為の質問とは、自分が聞きたいから聞くこと。
自分の為の質問とは、自分が知識として知らなかったり、
情報として知らないために聞く質問で、
自分が聞きたいから聞くという質問です。
子供の、「ねぇ、空はなんで青いの?」というのも、この自分の為の質問です。
他には、
「なぜそんなことをしたんですか?」という理由を問う質問や、
「それってどんな意味ですか?」や、
「過去にどんなことがあったのですか?」とか、
「いつ頃からその悩みを抱えているんですか?」
「楽しい瞬間ってどんな瞬間ですか?」
というのも、すべて自分が”知らない”から聞く質問です。
つまり、自分の為のなのです。
ここで大切なのは、相手はこちらが聞かなくても、
それをした理由や、それがどんな意味をしているのか、
いつ頃から悩みを抱えているのかも、楽しい瞬間も、
すべて自分でわかっているのです。
事情とか理由をついつい把握しようとしますが、
それは相手の為の質問ではなかったりするのです。
もうすでに分かっていることや、また話さないといけないために、
相手にも負担をかけがちです。
相手の為の質問とは、相手の世界観を広げる質問。
一方で相手の為の質問とは、気づきにつながるケースが多くあります。
「いつも人前で緊張してしまう。」という人に対して、
「本当にいつもですか?」と”例外”を聞くことによって、
”いつも”ではないことに気づいたり。
一生懸命耐えて、苦しんできたけれど、
何とかでも生きている人に対して、
「そん大変な中でよく耐えてこられましたね。きっと支えになったものがあるんだと思います。もしよかったらその支えになったものを教えて頂けますか?」
といって、支えになったものを思い出して感じてもらったり。
「本当はこんなことしたくなかったんだ…。」と、
なにやら本当は逆なんじゃないかな…。という方に対して、
「本当に、本当にそんなことを思っているの?」とあえて確認をして、
自分の気持ちに直面してもらう手伝いをしたり。
過去ばかりを気にしている方に対して、
未来に向けた質問をしてみたり、
未来ばかり見ている方に、
過去に成し遂げたことを聞いてみたり。
このように相手の為の質問とは、
相手の世界観を広げる質問であり、
普段意識してないけれど、既に持っているものに気づく。
そんな質問でもあるわけです。
ただ、このように書くと気づかせようとして質問をする方が必ずいますが、
そうすると、それはもう相手の為の質問ではなく、自分の為の質問となります。
なぜなら、気づかせたいという自分の為に質問をするからです(;^_^
自分の為か、相手の為か切り分けて質問をする。
さて、普段あんまり意識していないので、気づかなかったかもしれません。
質問をする時に、「これは誰の為に質問しているんだろうか?」と、
自分に問いかけてみてください。
その答えが自分の為であれば、なるべく相手に負担をかけない質問をしたいものですね。
その答えが相手の為の質問であれば、気づかせようとしていないか?と考えて頂くのも大切です。
そして、相手の為であれば、もっといい選択肢はないのか?と考えてみることも大切です。
もし、いい選択肢があれば、その選択肢を用いてみる。
質問力とは、選択肢を増やしていくこと。
相手にとって最善の選択は何か?を常に考えて、
質問の精度を上げていくこと。それが質問力へとつながります。