非言語の観察力を鍛える時は、

大きく分けて二つの方向性があります。

 

1つ目は、直感で浮かんできた印象の根拠を探る。

2つ目は、見て取れた素材から概念を構成する。

というやり方です。

 

これは、ある本を読んでいた時に、

アートの見方もそうなのだということが書いてあって、

ビックリしました。

 

さてさて、

ちょっと具体的に上げた2つのやり方が抽象的なので、

具体的に説明しましょう。

 

1つ目のやり方とは、僕たちが普段直感的に相手に対してやっているやり方です。

 

「第一印象」という言葉があるように、

僕たちは意外と(?)、相手をすぐにこんな人と判断します。

 

経験を通して直感的に相手への印象が湧いてくるのです。

 

そして、これが相手を観察している時にも出てきます。

 

「なんか大雑把そう。」

「優しそう。」

「厳しそう。」

といったようにです。

 

でも、大抵こういう印象というのは、

何となくで大雑把に捉えていることが多いですから、

その大雑把さを取り払い、

判断材料=根拠を明確にしていくのです。

 

ですから、

「なんか優しそう。」

と観察して感じたのだしたら、

「どこからそう思ったんだろう?」

とその根拠を振り返って探っていきます。

 

これをやっていくと、

自分がどこを見て優しいと判断しているのかが見えてきますし、

細かく見ていくと、

この目は優しいというよりも、

愛情深い目だなとか、

そういった微妙な違いが見えてきますし、

何より何となくの印象で相手を捉えなくなります。

 

ここがとても大切です。

 

さて、二つ目の方法は、

観察できるところをすべてノートにメモして、

そこからどのような人なのか、

どのような気持ちなのかを想像するというやり方です。

 

見て取れたところをすべて列挙して、

そこからパズルのピースを集めて、

1つの絵を作るように相手の気持ち/人柄などを想像していきます。

 

例えば、

話す時に姿勢が前のめりになり、

よく何かを思い出したかのように上を見て、

口角を上げてほほを緩める。

話す速度は早く、

どちらかというと高めの声であるが、

声に重さがある。

途中で言葉を噛んだり、

表情がこわばったりはしていなく、

表情は終始口角が上がり、

目も柔らかい印象である。

 

人の目を見て話す時間がながく、

あまり周りの人に目が行かない。

 

こういった要素から、

人が前のめりになる時というのは、

気持ちを伝えたい時とか、

重要な話をする時、

焦っている時であることが多い。

 

話すのが早いということは、

焦っている時にも早く話したい時にも、

気持ちを伝えたい時にも該当するが、

焦っていれば、

表情がこわばっていたり柔らかい印象はないはずだし、

重要な話であれば話す速度はゆっくりなはずだ。

 

ということは、気持ちがを伝えたいのだろう。

 

そして、表情と声色とよく上を見て話し、

その際にほほが緩む感じは、

きっと楽しかったり嬉しかった体験を話しているのであろう。

 

といったように、素材を組み合わせて気持ちなり、

その人となりを推理していきます。

 

何度か紹介しているやり方ですが、

着実に実力は身につきますからやってみてくださいね。

 

コツは、

直感的に印象が沸き上がったら、

「どこからそう思ったんだろう?」と自問すること。

 

直感が沸き上がらなければ、

見て取れること、

聞いて取れることをすべてメモして、

「これこれこういうしぐさや表情をしているということは、

どんな気持ちだろう?どんな人だろう?どういうことを表現しているだろう?」

と推理してみることです。

・JCA カウンセリング・傾聴スクール 講師 
・カウンセリングルームこころ音 カウンセラー
元引きこもりのカウンセラー。現在は講師として、毎週(土)講義を行う。
都内のクリニックでカウンセリングも行っている。