スケーリングクエスチョンという、
解決志向アプローチの質問技法を
今日はご紹介したいと思います。
スケールとは、英語で目盛りとか定規という意味です。
クエスチョンは説明しなくても
お分かりの方が多いと思いますが、
質問という意味です。
ではどんなことを「計る」質問かというと、
相手の心理状態だったり、現状だったり、感情だったりです。
これからもわかるように、
明確にこれを計ると決まっているわけではなく、
計るターゲットは、何でもいいのです。
ただ、カウンセリングでは、
主に今の悩んでいる状態計ることが多いのです。
さて、ではどのように計るのかというと、
その悩んでいる状態を「数値化」してもらいます。
例えばこのように、
「例えば、もう今よりも最悪の状態を0点として、悩みがすっかりと解決した状態が10点だとします。
すると今のご自分の状態は何点位だと思いますか?」
といったように質問して、
自分の状態を評価してもらうのです。
それで例えば、「3点」と答えてくれたとしましょう。
そしたら今度は、
「今よりもほんのちょっと悩みが良くなったとして、
1点上がって4点になったとすると、今と何が違うと思いますか?」
「例えば今よりもほんの少しだけ悩みが軽くなった時がきて、
四点位かなとかんじる時が来たとします。
するとその時、あなたはどんなことで1点上がって4点になったかなと気づくと思いますか?」
といったように質問をしていきます。
すると相手が例えば「今よりも10分くらい早起きが出てきているかな。」
といったら、では10分くらい早起きしてみましょうか。
といったようにその行動をしてもらったり、
その行動につながるようなことを一緒に考えてしてもらいます。
また、
「もし今よりも10分くらい早起きが出来るようになったら、
少しだけ体の状態が変わるかもしれないし、
ちょっぴりと自信がつくかもしれないですよね。
もしそうなったら他にどんな変化がありそうですか?」
といったように1点上がった状態が
どのように他の側面に広がっていくのかを聞いていくこともできます。
そして、その良い影響が広がった中で、
日常に取り込めそうなことをしてもらう。
そんな取り組みもできるのです。
つまりこの質問の狙いは、「現状」を点数化してもらうことで、
自分を客観的に評価してもらうこと。
そしてメインは、
「現状」から少しだけ「良くなった状態」
つまりちょっぴり今の状態が少し改善して、
良くなっている状態を想像してもらい、
その中から今からでも出来そうなことをしてもらうことで、
「今と違う行動」を取ってもらうことです。
人はいきなり大きな解決は想像しづらい場合がありますし、
いきなりその大きな状態を目指すとうまくいかないことが多いのです。
そこで、少しだけ現状が解決した状態を想像し、
いきなり3点も改善するような行動は出来ないけれど、
0.5点とか1点程度上がるような小さな行動をイメージして出してもらうことで、
無理なく取り組んでもらうことが出来るのです。
僕たちが現状をなかなか改善出来ないのは、
ずっと同じようなパターンにはまってしまっているからです。
ですから、今とちょっと違った少しだけ解決したり、
改善した世界を想像し、
その中で今から出来ることしていき、
そのループから抜けていくのです。
もし同じことをし続けても問題は解決しない場合は、
その行動自体が要因かもしれませんから、
今よりもちょっと違う行動をしましょうよ。
そんな解決志向の精神が色濃く反映された質問が、
スケーリングクエスチョンなのです。
ただ、このスケーリングクエスチョンは、
例外に目を向けてもらう質問でもあります。
ここでいう例外とは、
問題があまり起きていない状態という意味です。
つまり問題から解決した状態へと目を向けてもらいますから、
まだその状態を想像できる状態でない方に対してや、
まだきちんと話を聞いてもらえてないと感じる方に対しては、
少し負担が大きくなりますし、抵抗を生んでしまいます。
ですから、しっかりと関係性を築いた上でこの質問をしていってくださいね。