「明日が見えない。」
うつ病は未来が見えなくなる病気。
そんなことを聞いたことがある方もいるかもしれません。
僕たちはうつ病迄いかなくとも、
鬱っぽくなったり、虚しさを強く感じると、
同じように生きる気力を失い、
未来に対して希望を持つことが出来ません。
また明日も同じような状態が続くのか。
それも同じような日常ではなくて、
この苦しみを抱えたままで、
同じような苦しみが繰り返される毎日を送るのか…。
そんな思いを持っていると、
余計に明日が辛く、
先が見えなくて苦しみが襲ってきます。
僕たちは、鬱っぽくなったり、虚しくって、前が見えない。
やる気がないといったような方と接する時、
「大丈夫だよ。今に前を向けるさ。」
「今は辛いかもしれないけれど、きっと大丈夫。」
といったように相手を励ますことが多くあります。
勿論こういったコミュニケーションが上手くいく場合もありますが、
上手くいかない場合もあるのです。
それはなぜかというと、大丈夫という言葉が気休めでしかなく、
やっぱり未来が見えないと感じることがあるからです。
そして、未来が見えない先が見えない不安や恐れや、
それによる苦しみを受け止めていない為、
上手くいかないことがあるのです。
ですからこういった場合は、
まずはそういった未来が見えないというような状態にペーシングをすること。
それが大切だと僕は教わってきました。
その為、例えば…
「未来が見えなくなってしまったということですね…。」
というようなペーシングが役立つかもしれません。
または、
「この苦しみが明日も続くのかと思うと、
それだけでぞっとするでしょうし、明日が来るのも辛いですよね。
そういった状態の中で、何とかでもよくやられていると思います。」
といったように明日が見えない苦しみにペーシングをしてねぎらう。
こういったような相手の今の状態にペーシングをしていく、
その上であなたの言葉を伝えていく。
そうした方が相手も分かってくれたと感じて、
あなたの言葉をより受け止めてくれるのです。