最近、観察のトレーニングで

「仕事 インタビュー」で検索して、

出てきた人たちを観察するトレーニングをしていたのですが、

テーマが「仕事が出来ない人」という動画をたまたま見たのです。

 

そしたら思い思いの特徴を皆さん言葉にしていて、

仕事が「出来ない」というのを判断するのって、

簡単なようで簡単ではないなと感じたのです。

 

大体こういうお話が出る時というのは、

当たり前ですが仕事が出来ない自分以外の誰かがターゲットですから、

観察側の主観的な評価になるわけです。

 

そうするとその誰かの仕事が出来ないと思われる要因を列挙しますが、

大体その内容というのは、

本人に起因することなのです。

 

どいうことかというと、

・報告をしない。

・出来るつもりになっている。

・思い込みで仕事をしてしまう。

・人の話を聞かない。

といったように本人の能力や性格的なものに起因する要因を挙げるわけです。

 

でも、仕事が出来るようになるには、

一人では限界がありますから、

誰かから教えてもらう必要があるわけです。

 

そうすると、仕事が出来るようになるかは、

本人の努力と関係性が関わってくるわけです。

さらには、その会社の社風などもありますから、

環境要因も関わってきます。

 

上司が教えるのが上手くなかったり、

感情的だったりすると、

報告がしづらくなったり、

確認を諦めたり、

確認を怖がったりするというパターンが身につくのは当然です。

 

勿論、最初から確認をしない人だったという場合もあるでしょうけれど、

それを教えていくのも上に立つ人間の仕事ですから、

教え方と関係性というのは、

仕事ができるようになる上でとても大切なのです。

 

また、会社の環境というのもそうです。

 

全てOJTで、自主性を育むことを主においている会社環境では、

自己成長型の人はメキメキ腕を上げていくでしょうけれど、

そうではない方の場合は、

やはり時間が掛かりますし、

他の人とのギャップに自己卑下をしたり、

自分を責めたりという心理的な苦悩を抱えやすく、

故に安心してスキルを身に付けるというようりも、

いきなりジャングルに一人で放り込まれたようなものです。

 

では、適応できる人だけを選ぶのかというと、

そういうわけにも行かないのが会社ですから、

ある程度双方の歩み寄りは必要になってきます。

 

最後に、”仕事が出来ない”といった時、

それが能力がないからなのか、

知識をそもそも知らないのか、

技術を磨けば出来るようになるのか、

それとも心の癖が邪魔をして出来ないのか、

といったようなことの区別がついていない方が殆どです。

 

ですから、

なんで、そんな簡単なことも出来ないの?

という視点になってしまったり、

自分はこうやったと自分の経験則に沿った教え方になり、

それが相手にはまれば上手くいきますが、

そうでなかった場合は上手くいきません。

 

こう考えると、

一口に”仕事が出来ない人”といっても、

様々なことが考えられて、

必ずしもそれが本人に起因するわけではない場合もあるのです。

・JCA カウンセリング・傾聴スクール 講師 
・カウンセリングルームこころ音 カウンセラー
元引きこもりのカウンセラー。現在は講師として、毎週(土)講義を行う。
都内のクリニックでカウンセリングも行っている。