カウンセリングを始める前に、

とても大切なことの一つは、

目の前の人の今の力の加減を吟味することです。

 

この”力”には、

考える力、

心のエネルギー、

気づく力などが含まれます。

 

カウンセリングに来る方というのは、

傷ついたり、

過度なストレスにさらされている影響で、

これらの”力”が一時的に著しく落ちている場合があるのです。

 

ですから、

今、目の前の人がどれくらい”力”があるのかを吟味して、

どれくらい援助側が力を貸す必要があるのか、

どれくらい本人に任せて大丈夫なのかを判断していくことが大事なのです。

 

そして、この”力”の度合いというのは、

固定されたものではありません。

 

カウンセリングを受けていく中で、

日常を過ごしていく中で、

この”力”加減は変わっていきます。

 

ですから、固定化されたものではなく、

流動的なものとしてその力を捉えて、

毎回更新していくことが望ましいのです。

 

勿論、その都度その都度、

リフレッシュした目で

目の前の人を見る必要がありますから、

とても難しい面もありますが、

実は、とても大切なことなのです。

 

「今日は、何かトレーニングが出来そうかな?」

「それとも、今日は抑うつ状態が強いから、

負荷をかけずに行った方がいいかな。」

といったようなことを感じ取りながら、

援助をしていくこともとても大切であり、

こういったことも大切に関わりたいと、

そう感じるのでした。

・JCA カウンセリング・傾聴スクール 講師 
・カウンセリングルームこころ音 カウンセラー
元引きこもりのカウンセラー。現在は講師として、毎週(土)講義を行う。
都内のクリニックでカウンセリングも行っている。