昨日は、スーパーバイズという臨床指導の日でした。

クリニックでカウンセリングをしていると、

ご本人の意志ではなく、

お医者さんの薦めで取りあえず受けてみたら?と言われて、

カウンセリングを受けに来てくれる。

そんな方も散見されます。

 

僕はそういった方の対応が苦手なのです。

というのも、あまり自ら話さないですし、

クリニックにくる方の中には、

希死念慮をお持ちの方も来ますので、

そういった場合は、

尚更ご本人が能動的に話してくれることはなく、

援助側が積極的に話をしたり、

思いをくみ取ったりしていく必要や、

ペーシングをしていく必要がありますし、

最初の関係づくりが肝にもなるのですが、

そこを僕は上手く対応できていないことが多かったのです。

 

自ら能動的に話してくれる場合は、

とてもやりやすいのですが、

そうでない場合、

僕は焦ってしまうこともありますし、

力になりたいという気持ちが空回りすることも間々あったのです。

 

そこで昨日のスーパーバイズでは、

それを相談したのです。

 

そこでまず最初に言われたことが、

医師の紹介できたという事は、

本人が望んできたわけではありませんから、

当然能動的に話してくれる可能性はかなり低いということ。

 

そして、次のことが僕が欠けていた視点でした。

それは…、

「クリニックに来るということは、お医者さんに助けを求めに来たという事ですよね。」

「それに対して、医師がとりあえずカウンセリングを受けてみたら?

というような対応をしていたとしたら、

それはクライアントにとったらさじを投げられたと感じるかもしれませんし、

たらい回しにさせられた、またはレベルを落とされたと感じるかもしれません。」

「もしそうだとしたら、希望を持ってきた気持ちが裏切られ、諦めや絶望。

どこに行っても自分は助からないのだという気持ちを持っているかも知れません。」

「ということは、まずはそういった孤独感や絶望、裏切られた気持ち

といったことにペーシングをして、

最初は味方になることから始めることが大切なのではないでしょうか。

とそんな金言を頂きました。

 

これは聞いて僕は確かに…。

と思いながら、ここに来るようになった背景や、

お医者さんとの関わりの中で生じた気持ちや、

ひいてはここに相談に来るまでに他院にいったかもしれないし、

色々と自ら探してダメだったかもしれない。

 

家族からクリニックにいったらというのがもしあったとしたら、

それも見放されたと感じた瞬間かもしれない。

 

そんな背景に思いを馳せ、

それらの気持ちに気づく為の視点が欠けていたことに気づいたのです。

 

僕の中で意識に上がっていたことは、

いきなり来て話辛いという気持ちを汲むことや、

今目の前に出ている気持ちを汲むこと。

そればかりでした。

 

そりゃ~うまくいかないわけです。

 

例えば今であれば、

先ほど述べたような気持ちをクライアントが持っていれば、

「少しでも楽になりたくてクリニックに来たのに、

カウンセリングを紹介されるというのは肩透かしのような気持ちになるかもしれませんね。ただ…。」

「少したらい回しのような印象を与えてしまったかもしれません。

でもそんな中でも…。」

「ここでもしっかりと話を聞いてくれないのか…。

そんな思いをお持ちかもしれませんし、

少しでも今の状況を良くしようと孤軍奮闘するの中で、

今日のようなお気持ちを何度も味わってきたのかもしれません。

そういった意味でいいますと、とてもご苦労されてきたでしょうし、

お辛い思いをしてきたことと思います。だからこそ今日は…。」

といったように諦めようとしてきた気持ちや、

裏切られたと感じる気持ちや、

絶望に対して声を掛けていくのではないかなと思います。

 

勿論、しっかりと目の前の方の今の気持ちを捉えた上でです。

 

そして、こういった自ら来たくて来ていない方の背景に思いを馳せて、

それに対してペーシングをしていき、

敵ではなく味方と感じてもらえるように関わっていく。

 

その上で、相手が少しでも話してくれるように援助をする。

 

その為には、相手は自ら相談に来ているわけではない為、

話す姿勢も通常のクライアントと違い、

一歩前に出て話してくれるのではなく、

一歩引いている態度であるわけです。

 

そこで、カウンセラー側が受け身になってしまうと、

クライアントを一人にしてしまいます。

ですから、聴く態度を能動的にし、

カウンセラー側が前に出て話を聞いていくことが、

当然大切になってきます。

 

その為には、例えば…

「少しでも○○さんの力になりたいと思っておりますので、

その力になれるような部分を見つけたく、

大変かと思いますがお話頂けますでしょうか。

(もう少し詳しくご状況をお聞かせいただけますでしょうか。)」

といったように前に出て、

この時間は少なくともあなたを一人にはしません」と、

言語・非言語で相手に伝えていくことがとても大切です。

と教わりました。

 

いやぁ、もうただただ頭が下がるばかりでした…。

 

そうですよね。

来たくてきたわけではないけれど、

そこには分かってもらえない寂しさや孤独があって、

また僕が同じように分かってもらえなかったという対応をしたとしたら、

それこそまた孤独や寂しさをクライアントは抱えてしまうのです…。

 

いやはや、自分の未熟さを痛感すると共に、

襟を正して頑張っていこうと、

そんなことを思い、感じた日でした。

・JCA カウンセリング・傾聴スクール 講師 
・カウンセリングルームこころ音 カウンセラー
元引きこもりのカウンセラー。現在は講師として、毎週(土)講義を行う。
都内のクリニックでカウンセリングも行っている。
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