カウンセリングでその日の目標や、
カウンセリング自体の目標を設定する際に、
クライアントさんが抽象的なゴールを設定することが良くあります。
例えば、自分に優しくなりたいとか、
自己評価を上げたいとか、
不安じゃなくなりたいといったようにです。
こういったことをそのまま目標にしてしまうと、
なかなかうまく援助が進みません。
そこで今日はどのようにしたら効果的な目標設定ができるのか、
そのテクニックの一つをご紹介していきます。
さて先ほどお話をしましたが、
なぜゴールが抽象的だと援助がうまくいかないのでしょう?
それを説明する為に、先の抽象的な目標を例に挙げて説明しましょう。
例えば、自分に優しくするという目標の場合、
”具体的に自分に優しくするとはどういうことなのか”が不明確です。
同様に、自己評価を上げるという目標の場合も、
”具体的に自己評価を上げるということがどういうことなのか”
といったようなことが不明確です。
こういったことが不明確ですと、
具体的にどのように援助をしていいのかが掴めず、
結局カウンセリングの方向性も曖昧になってしまい、
上手くいかないということが起きてきてしまうのです。
ではどのようにしていけばいいのでしょうか?
その一つのやり方は、具体的に聞いていくことです。
「自分に優しくするという事は具体的にどのようなことを指していますか?」
「自分に優しくするという事は具体的にどのようなイメージですか?」
「自己評価が高い人というのは、どのような人のことを指していますか?」
「○○さんの言う自己評価とは、具体的にどのようなことを意味していますか?」
といったように具体的に聞いていくことが大切です。
具体的に聞いていくと、
その人それぞれの定義やイメージが見えてきますから、
より具体的に援助がしやすくなります。
また、次のように具体的な行動レベルが出てくるように質問をすることも有効です。
その質問の型は、
「どのようなことから○○だとわかりますか?」
という形になります。
例えば、先の例に当てはめると…
「自分に優しくなれたとして、どのようなことから自分に優しくなれたとわかりますか?」
「どのようなことから自分の自己評価が高くなったとわかりますか?」
といったように質問をしていきます。
すると、「自分に優しい」「自己評価を上げる」とは
具体的にどういう行動かを答えてくれる確率が上がるのです。
そして答えてくれたら、そういった具体的な行動レベルをゴールに設定していくのです。