話すことが苦手な方に対して、
保証というコミュニケーションは、とても大切です。
保証とは、
相手がしてきたことはベストである、
そうする以外出来なかったのだ。
だからあなたの責任ではないのだ。
間違っていないですよ。
そうなるのも当然です。
大丈夫ですよと伝えるコミュニケーションです。
なぜこの保証というコミュニケーションが大切かというと、
話すのが苦手な方というのは、
唯でさえ苦手意識が出て、
コミュニケーションが上手くいかないのは、
自分のせいだと感じていて、
それで余計自分を責めたりして、
コミュニケーションが余計に上手くいかないということが起きています。
でも、そもそもコミュニケーションが上手くいくかどうかというのは、
自分だけの要因で決まるわけではなく、
相手あってのことですので、
共同作業なわけです。
また、コミュニケーションが苦手になったというのも、
ご本人の責任ではなく、
例えば周りが話を聞いてくれない人が多かったとか、
自分の主張ばかりを言う人に囲まれてきたとか、
そういった環境要因が強く関わってくることも多い為、
ご本人の責任によるものでないものがほとんどです。
加えて、
こういったことで相談に来る方というのは、
自分でコミュニケーションを改善しようという意欲があり、
ベストを尽くそうとしていますから、
その方に対して間違っているとか、
それじゃダメだと伝えることは、
やる気をそぐだけですから、
大事なのは、
その芽生えた気持ちに水をやって、
共に成長を見守ることです。
ですから、やはり「保証」は大事になってくるのです。
では、どのように「保証」するのでしょうか。
例えば、こんなように伝えたりします。
「今迄最後まで意見を受け止められた経験が人よりも乏しかったわけですから、
自分の意見を上手く言えなく諦める癖がついていたとしても当然ですし、
そういう経験を積み重ねてくれば、自分の意見なんて言えなくなるのも理解できます。」
「それだけ苦しくかったわけですから、相手の話をうまく聞けなくて当然ですし、
それだけ自分が苦しみながらも相手の苦しみにも目を向けようとする辺り、
○○さんらしいですね。」
「上手く言えなくて当然ですから大丈夫ですよ。
苦手だからこそ言葉に出してみることに意味があるんですよ。」
「初めて聞く練習をしているわけですから、上手く聞けなくて当然です。」
「初めての仕事で、しかも繁忙期に入ったわけですから、
上手く話を聞きに行けなかったとしても当然ですよ。」
「そうやって人の反応を気にしてしまうのも、
これまでの経緯を考えれば当然だと思いますから、
気にされないでくださいね。
そしてこのカウンセリングの時間は、
○○さんの為の時間ですから、
そうやって気になったことがあったらすぐにいって下さいね。
~さんが今どういう風に感じているかを知ることが出来れば、
私も安心しますし、二人でより良いコミュニケーションを作っていきましょう。」
こういったように、
保証をしながら相手とコミュニケーションを取っていくことが、
特に苦手意識を持っている方に対しては大切です。
保証をすることで、
自分のことを責める度合いが減りますから、
より安心してコミュニケーションの上達へ道に進むことが出来るのです。
ちなみに保証を伝える型は、次のようなものです。
「○○できなくて当然です。」
「○○という背景を考えれば、出来ないのも当然です。大丈夫ですよ。」
「○○という状況の中で、▽▽になってしまうのは仕方がないことです。」
「○○という出来事が起きて、さらに××という出来事が重なったのですから、▽▽になるのはしょうがないですよ。」
保証するポイントは、
そういう事情や背景であれば、
誰しもそうなるものだと捉えて理解を示すことです。
「保証」というコミュニケーションは、
コミュニケーションが苦手な方だけでなく、
色んな場面で重要になってくるコミュニケーションですので、
是非覚えておいてくださいね。
