自信を育むフィードバックの方法

世の中には、リチャード・バンドラ―という方によれば、

二つしかないそうです。

それは、

「分けること」と「共通点を見つけること」です。
(※また聞きなので、定かではない部分はありますが…。)

そしてこの視点は、コミュニケ―ションにも役立つと、そう原田先生に教わりました。

これを聞いて、確かに!と思ったので、

皆さんにもシェアです。

さて、この分けるという事は、ある物事や概念の分類を分けたり、区別するというニュアンスで用いています。

これは、犬ね。

これは、猫ね。

といういうように僕たちは、

生物を分けてとらえますよね。

一方で、この分けられた猫と犬は生物という部分では共通しています。

このように、「分けられる」けど、

共通点がある

なんてことはよくあるのです。

こういった分ける事と共通点を見つけることは、

実は勉強する時によく用いられる視点です。

例えば、英語を学ぶ時、hearとlistenの違いを学んだことを覚えていませんか?

同じ「聞く」ですが、

「聞こえてくる」と「耳を傾けて聞く」という点で分けることができますよね。

だから、人の声を注意深く聞く時は、listenですよと学んだと思います。

 

このように僕たちは、何かを学ぶ時に区別(分ける)をし、

その区別をした物ごとの間に共通点を見出して、

頭の中を整理し、覚えやすくしていくのです。

こうやって僕たちは物事を効率的に吸収していくのです。

 

では、この視点がどのようにコミュニケーションに役立つのでしょう。

それは、何かを説明したり、フィードバックをしていく際に役に立ちます。

その一例を挙げてみましょう。

僕は傾聴を教えていますから、「傾聴」を用いて説明していきますね。

 

傾聴というコミュニケーションは、

相手の話を丁寧に聴く時に役立ちます。

 

それはとりわけ相手が自ら話してくれる場合に役立ちます。

なぜなら自ら話をすることで、自分の気持ちに気づきやすくなるからです。

 

一方で、相手があまり話してくれない場合は、あまり役立たない時があります。

その場合は、こちらが思いを汲んで言葉をかけるというコミュニケーションの方が役立ちます。

 

ただ、思いを汲むにも、相手が自ら話してくれるにも、

相手を受け止めたり、丁寧に聴くという点が大切なのは共通しています。

 

というこの説明は、傾聴を場面で「分け」

どういった場面でそれが有効で有効じゃないかが

分けられることにより、傾聴の概念がより明確になります。

そしてその違いと共に、受容という「共通」した部分も分かってきますね。

 

このように何かを説明する時にもこの分けると共通点を見つけるということは、

役に立つわけです。

 

ただ、今日説明したいのはカウンセリングでの視点や、人との関わり方での視点です。

 

カウンセリングでは、様々なフィードバックを行いますが、

クライアントさんが出来ていることに目を向けてもらう為、

クライアントさんを援助する為に、

この「分ける」ということが役立つのです。

 

例えば、対人援助の職に就いていて、思いやりから相手に優しくしすぎる方がいたとします。

この場合は、「相手に優しくしすぎるのがダメな所よ。」と、

フィードバックすることも出来ますが、落ち込んでしまう場合もあります。

そこで「分ける」ことが役に立ちます。

例えば、個人と、プロということで分けてみましょう。

すると、このような形になります。

 

「その思いやりや優しさで、きっと家やプライベートでも、

沢山の人にその温かさを伝えいるだなぁと感じるの。

 それは、きっとあなたのプライベートの生活の場面で、

あなたも周りの人も豊かにしていると思うのよ。

 そして、今の仕事の場面でプロとして関わる時は、

 その優しさや思いやりを前面に出しすぎないようにすることが大切なのよ。

まずは、プロとして出来る事を増やしていきましょう。」

といったようになるでしょうか。

これは「プライべート(私生活)とプロ(仕事)」を分けた場合です。

 

では、次に出来ていることを分けてフィードバックしてみましょう。

「あなたは、もうそうやって自然と相手に思いやりを向けたり、

優しさを向けることはできていますね。

だからこそ、これからは優しさや思いやりの中にある厳しさも身につけていきましょうね。

まずは、その一歩として少し距離を取ることも覚えていきましょうね。」

といったようになるでしょうか。

これは、出来ていることは出来ていることとして受け止め、

そこは出来ていますよと分けた上で、

だからこそ出来ていない○○を身につけましょうというフィードバックです。

 

このように、「場面」や「立場」で分けたり、

他にも「時制」を用いて分けたり、

出来ていることを切り「分け」たり、

といったようなフィードバックは時にとても役に立ちます。

 

そして援助する時にも、相手の出来ている部分を分ける事が出来ると、

相手が出来ていないからこそ習得した方がいいという所も見えてきます。

 

すると援助がしやすくもなりますし、

出来てないという中でも出来ている部分にも徐々に目が向けられるようになります。

 

僕は先生から個人的に今お話し様(できなかった部分の出来ている部分)に、

フィードバックをもらうことがとても多く、自信に繋がりました。

 

例えば、話を聴いていた場面では、

「相手に確かに巻き込まれたのかも知れませんが、

ペーシングができていたからこそ、

一緒に巻き込まれることができたんですよ。」

 

「確かに今の質問はあまりよくなかったけど、タイミングは良かったですね。

あとは、その時に自分の意図を明確にして言葉にする技術が身につけばいいですね。」

といったように出来ていない中でも、出来ている部分に目を向けられるような

そんなフィードバックをそういえば沢山受けたな~と、

今回のことを先生から学んで思い出しました。

 

出来ないことに目を向けることは簡単だけれど、

その中の出来ていることに目を向けることは意外に難しいのです。

 

だけど、ひとたびその力を鍛えることができれば、

相手と関わる時に、相手の様々な側面が見えて、

あなたと関わる人もきっと、話していて落ち着くとか、

気づかないうちに少しずつ自信を蓄えていくのではないかなと、

そう僕は感じ、この記事を書いています。

 

そして、その出来ることに目を向ける際に「分ける」視点は、

とっても大切ですから、このような視点で話を聴いてみて下さいね。

 

今日は、ちょっと『共通点』へと行く余力がなくなりましたので、

この辺りで失礼します!(笑)

 

『共通点』に関しては、またそのうちにお話しさせて頂きますね。

・JCA カウンセリング・傾聴スクール 講師 
・カウンセリングルームこころ音 カウンセラー
元引きこもりのカウンセラー。現在は講師として、毎週(土)講義を行う。
都内のクリニックでカウンセリングも行っている。