話が止まった時は、上手くいっている時。ただ…

相手の話しを聞く時に、

「そりゃ~辛いよね。」とか、

「それは大変だよね。」といったような気持ちが

湧き上がってくる時があります。

そんな時、僕たちは自然に相手の話しに「共感」します。

すると、そのまま「辛いね…。」という言葉が出てきたり、

「大変だったね…。そりゃ苦しいよ…。」といったような

共感的なメッセージが口から出てきます。

そんな時、僕たちは自分で納得します。

「○○(こういう事情)だから、

こういう気持ちが湧き上がってくるのは、しょうがない。」

といったように。

こういうことが起きるということは、よく聴けている証拠であり、

相手と息が合っている(ペーシングが出来ている)証拠です。

※ペーシングとは、相手の声のトーンとかスピード、
表情、呼吸といったような非言語を相手に合わせる技術です。
そうすることで、相手が安心して話してくれます。

そして、このようによく相手の気持ちを理解し、

納得し共感していくと、相手とペースが合ってきますから、

一緒に止まってしまうことがあります。

あなた「そりゃ~辛いよね。」

相手「そう。辛いんだよ…。そう、だから最近しんどくて…。」

あなた「そうだよね…。」

といったように、会話が止まってしまう事があります。

でも別にこれは悪いわけではありません。

うまくペーシングができているから、

相手と一緒に止まることが出来るのです。

すぐにどうしたい?とか解決へ向かおうとする人が多い中で、

一緒に立ち止まってくれる人がいるというのは、

とっても僕は大切なことだと思います。

そしてですね。

止まるということは、色々とパターンがありはしますが、

相手が話し終えたタイミングでもあるわけです。

それは、十分に分かってもらえた。

十分に聴いてもらえたというサインでもあり、

次の段階へといくサインでもあります。

問題枠(悩み・苦しみ)を十分に話したのですから、

今度は、どのようにしていきたいのか?

どう解決していきたいのか?

という結果枠について話していったり、

出来たことへ目を向けてもらうことも出来るでしょう。

どのようにそれを今まで乗り越えてきたの?

と聴いていくこともできるでしょう。

そうやって十分に苦しんできたからこそ、

前を向く為に私が何かできる事はないかしら?

と相手の苦しみを保証しながら、

解決の為に出来ることを聴いてもいいでしょう。

人は苦しみばかりを話したいわけではないのですから。

でも、最初からそっちの気持(解決や希望を持つこと)には、

リーチが出来ないから、

相手にしっかりと話してもらう。

しっかりと聴くことが大切なのです。

立ち止まるのは、悪いことではない。

ペーシングがしっかりと出来て、

共感が出来て、

相手が話し終えた証拠と捉えてみましょう。

そう捉えて、

その立ち止まった流れを変えていきましょう。

立ち止まれた時は、

流を変える時なのですから。

・JCA カウンセリング・傾聴スクール 講師 
・カウンセリングルームこころ音 カウンセラー
元引きこもりのカウンセラー。現在は講師として、毎週(土)講義を行う。
都内のクリニックでカウンセリングも行っている。