誰かの力になりたい

誰かの助けになりたいと願うのならば、

誰かの力になりたいと願うのならば、

僕たちは、目の前の苦しんでいる方の心の痛みを受け止めて、

共感しなければならない。

 

その辛さを、

その苦しさを、

受容し共感することが大切なのだ。

 

でも、

相手の苦しみを受け止めるにも、

共感をするにも、

まずは相手の苦しみを理解する必要がある。

 

理解しなければ、

受け止めることなど、

共感することなど到底出来ないからだ。

 

だから僕たちがまずやるべきことは、

「苦しみを生んでいるのはどこだろう?」

「何が目の前の人を苦しめているのだろう?」

といった視点で話を聞いていき、

相手のその苦しみを理解しようとすることだ。

 

援助はその先にあるのであり、

まずはそういったことが大切なのだ。

 

でも、僕たちは同時に次のことも理解しなければいけない。

 

それは…、

クライアントは、

目の前の人は、

”苦しみだけを抱えているわけではない”

ということだ。

 

だから僕たちは、気持ちを受け止めつつも、

その力強さや長所、その人となりにも思いを馳せて話を聞いていくことが大切なのだ。

 

苦しみと喜び。

長所と、長所故の苦しみ。

プラスとマイナス。

陰と陽。

光と影。

 

言葉はなんであれ、

人には多面性があり、

色々なことをクライアントは、

相談の場に持ち込んできてくれる。

 

だから僕たちは、その両方(長所と苦しみ)を知ろうとしなければならないんだ。

 

苦しみに目を向け。

強みやその人そのものを見つめていくのだ。

 

だって、

苦しみや問題点ばかりを見るのは案外に楽だ。

そして、

良い所だけを見て、

相手の苦しみに目を向けないのも案外楽なのだ。

 

どちらか一つだけではダメなんだ。

 

僕たちは、その両方を理解しようとすることが大切だ。

たとえ理解できなくても、

現実的にそこまで出来ないことの方が多いけれど、

その両方を理解しようとする姿勢を持つことが、

その両方を見ようと決めることが、

何よりも大切なのだ。

・JCA カウンセリング・傾聴スクール 講師 
・カウンセリングルームこころ音 カウンセラー
元引きこもりのカウンセラー。現在は講師として、毎週(土)講義を行う。
都内のクリニックでカウンセリングも行っている。