うつ病を改善するコミュニケーションの支援

うつ病という病に襲われてしまった方の中に、

自己主張をしないという傾向がみられることがあります。

 

つまり自分の意見を言わない。

言ったとしても無駄だろうと考えてしまったり、

「迷惑を掛けたくない。」

心配を掛けたくないといった思いから、

過度に自分の意見を言葉にすることを我慢してしまい、

不満や怒りや、悲しみなど様々な気持ちが溜まり、

爆発してから言う。

 

または、ずっと我慢して一人で耐えて

助けを求められないことがあるのです。

 

言わずに、助けを求められずに溜まった気持ちは、

抑うつ的な気持ちを引き起こしがちです。

 

また、助けを求められないと、

周りの人はなかなか変化に気づけず、

積極的に手を差し伸べることが出来なくなってしまいますし、

どのような気持かが分からないままになってしまうこともあるのです。

 

こういったコミュニケーションパターンによって、

うつ病が起きている場合があるのです。

 

その為、もし詳しく聴いていって

コミュニケーションパターンが関係していると分かってきたら、

少しずつご本人が自分の気持を表現できるように

助けを求められるように、

援助をしていくことが大切です。

 

ただ、その時も「あなたは、自分の気持を言わないからうつ病なのよ。」

といったように直接的に言うことはNGです。

 

「もしかしたらあなたの言葉を違うように受け取っている可能性はないでしょうか?」

「本当に伝えたかった言葉はその言葉でしょうか?」

「相手は、誤解している可能性はないでしょうか?」

「相手は、あなたに本当にそういうことを言いたかったでしょうか?別の可能性はありませんか?」

「本当はどうして欲しかったですか?」

 

といったように、少しずつコミュニケーションのズレを

ご本人が自らの力で気づけるように援助をしていくことが大切です。

 

伝える力をつけて、自分の気持を受け止めてもらう喜びを味わってもらう。

心の奥にある大きくなり過ぎた期待をコミュニケーションを取ることで、

少しずつ修正していく。

 

そうすることで、言わずに期待し自分をさらに苦しめていってしまったり、

助けを求められず、どうせ誰も分かってくれない…という負のループの輪を

少しでも断ち切ることが出来るのです。

 

そしてそれは、結果としてうつ病の改善に繋がったり、

ご本人の気持ちが楽になることへとつながるのです。

 

勿論、あくまでコミュニケーションパターンが

うつ病と強く関係している場合に限定はされますので、

その点だけご注意下さいね。

・JCA カウンセリング・傾聴スクール 講師 
・カウンセリングルームこころ音 カウンセラー
元引きこもりのカウンセラー。現在は講師として、毎週(土)講義を行う。
都内のクリニックでカウンセリングも行っている。