そんな中で、朝よく起きられていらっしゃいますね。何が朝、自分を起こす力になっているのでしょうか? by インスー・キム・バーグ
こういう質問を「サバイバルクエスチョン」といいます。
クライアントを悩みの中でも生き抜いているサバイバーとしてみて、
質問をしていくからそう名付けられたそうです。
これは相手からリソースを引き出す質問です。
リソースは日本語に訳すと「資源」です。
これはカウンセリングに当てはめると、
「資源」の中には、
クライアントの性格、長所、家族を始めとした人間関係、仕事、趣味等が含まれます。
こういった資源を引き出すことで、
カウンセリングをその資源に基づいて援助をしていくことが目的です。
また、この質問をすること自体で、
相手が問題ではなく、
自分がこれまで踏みとどまってきたことや、
支えになったことを思い出しますから、
自分には苦しみだけではなく、
大切な思いや、
一人じゃないんだということを思い出すことが出来ます。
そして、なぜ今回のこの質問をご紹介しているかというと、
よく本で書いているこの質問の型は、
「○○の中でよく耐えてこられましたね。何が支えになったのでしょうか?」
という形が多いからです。
これはこれで使えるのですが、
インスー・キム・バーグさんが使ったように、
もう一歩踏み込んで使うと、
相手も答えやすくなりますし、
「何が○○する力」になったのか?
という質問には、あなたには力があるという前提にもなっており、
ここに彼女がこの質問を作った意図であり、
大切にしていたことがよりはっきりと表れているからです。
それは、とてもシンプルです。
「クライアントには、問題を解決する力が必ずある。」
という前提であり、信頼です。
それがあるからこそ、
こういった質問を作ったり、
解決する力が内在しているという前提で、
相手に問いかけることが出来たのだと思います。
ですから、
相手の力を信頼しきれていない場合は、
使っても有効でない時が出てきたり、
相手からの何もリソースが出てこない返答にひるんだり、
戸惑ったりしてしまいます。
すると、その後の展開を作ることが出来ません。
そう、この記事の僕のように。(滝汗)
だからこそ技術を学ぶ時は、
その技術の意図を汲み取ることが大切であり、
どういう在り方を見つける必要があるのかということも、
同時に考えて、
技術と在り方の両輪を育んでいくことが大切なのだと、
痛感しております。
在り方を整えていく。
相手を信頼していくということは、
一筋縄ではいかない部分がありますが、
対人援助をする以上、
登る価値がある大切な階段です。
一歩一歩自分のペースで進んでいきましょう。
お互いに。