その場にクライアントと共にいる。

今起きている事をクライアントと共有する。

 

これは、とても大切なプロセスだと感じ、

どのようにそれが出来るだろうかと、

そのように今考えて、

取り組んでいます。

 

今起きていることを捉えるとは、

例えば今までにない感情が出始めた時に、

「今とても大切な気持ちが出始めているように見えます。

その気持ちを止めないで、出してあげることは出来ますか?」

というように、

今この瞬間をとらえて、

クライアントが”今”変わりつつあることを捉えて、

援助すること。

 

「ずっとこれまで我慢していたんです。」

と泣き始めるクライアントに、

「そうですよね。大変でしたね。」

と受け止めるのではなく、

「そうですよね。我慢してこられましたね。

そして今、この時は我慢せずに自分の気持ちを出せていますね。」

と、今まさに変化し始めていることを捉えて、

それをフィードバックしていくこと。

 

「今、話をしていて背筋が伸びる感じがありましたが、

体の中では何が起きていますか?どんな感じがしますか?」

とクライアントの微細な変化を捉えること。

 

「勇気を振り絞ってよくご相談にお越しいただきました。」

と、その来談した経緯と思いを感じ伝え返すこと。

 

「いや、まだまだだと思います。」

そうですよね。

「そうやって現実的に自分を見る力は、

これまでもあなたを支えてきてくれたでしょうし、

これからもとても必要な力ですね。」

と相手の反応の奥にある強みに気づき、

フィードバックをすること。

 

過去がどうだったかは、

関係がないわけでは勿論なくて、

それは、今起きていることを理解する素材にもなり、

今起きていることを保証する素材になる。

 

「自分が何をしたいんだかわからないんです。」

という言葉を紐解くには過去を知る必要がある。

そして過去を知って、

「それは当然のことと思います。

というのも、幼いころから母親にやりたいことをいっても、

「才能ある子はもう芽が出ているよ。」と否定されたり、

やりたいことをさせてもらえなかったのですから、

何をしたいか”今”わからなくても当然です。」

と相手の”今”を保証する。

 

今起きていることを捉え、

今起きていることを保証する。

 

誰も悪くない。

 

みんな精一杯生きている。

 

今を捉えて、

今に希望を見る。

 

そんなことが出来たら、

きっと理想なんだろうなと、

そんなことを思うのでした。

・JCA カウンセリング・傾聴スクール 講師 
・カウンセリングルームこころ音 カウンセラー
元引きこもりのカウンセラー。現在は講師として、毎週(土)講義を行う。
都内のクリニックでカウンセリングも行っている。