希望が失われた理由を聞く。

憂鬱な気分になる時や、

これまで頑張れていたのにやる気が全く起きない。

 

そんな時は、あるものが失われている可能性があります。

 

それは「希望」です。

 

希望とは、

「こうなって欲しいという思いに願い/望みを懸けること」

ですから、人生の光になります。

 

その望みや願いが絶たれてしまったら、

その苦しさはとても強いものになるのも当然です。

 

そしてこの「希望」は、

一回で絶たれるということはあまりなく、

何度も期待して、

きっと大丈夫、きっと大丈夫。

という思いの連続で支えられています。

 

ですから、一回ダメでも次がきっとあると感じて、

希望を一回ですべて捨てて、絶望することはあまりありません。

 

ただ、受験勉強等でこの志望校だけに合格する為に、

相当な時間と努力を費やしてきて、

他の道を想定していなかった場合は、

1回ダメ(落ちる)だと絶望へと繋がります。

 

ただ、これもその努力している過程で、

自分には合格できないかもしれない。

このままではダメだと模試などや他の受験生と比べて、

ダメだという経験が繰り返されているはずですし、

どこかで希望を失いそうな瞬間があったはずであるという点で、

1回ではありません。

 

さて、なぜこのお話を今日しているかというと、

あなたの周りの誰かが抑うつ的になったり、

やる気が全くでなかったり、

絶望していたりした時というのは、

表面的には何か大きな出来事があったから

そうなったと考えがちですが、

その背景には、

繰り返しの「またダメだった。またダメだ。また…。」という経験が隠れていることがあるからです。

 

ですから、表面的に見える経験の裏にある希望が失われた理由に思いを馳せて、

目の前で捉えることが出来る大きな出来事にだけ意識を向けるのではなく、

その背後に何度も何かを試みてはダメで、

次第に希望を失い無力感を感じ、

気持ちが折れてったのかもしれないという背景がきっとあるのです。

 

そしてそれに思いを馳せていけば、

「それだけのことで…。」

ではなくて、

何度も押さえつけられても、

希望を持ち続けてこられたんだな。

 

その希望は、本人にとってきっととても大切だったのだろうな。

 

それが失われそうな時でも、

勇気をもってチャレンジしてきたのだな。

 

失われないように頑張ってきたのだな。

 

そういった背景に思いを馳せて相手の話を聞いていくことが出来ます。

 

こういった視点も、

悩み相談ではとても大切だと改めて最近痛感させられたのでした。

・JCA カウンセリング・傾聴スクール 講師 
・カウンセリングルームこころ音 カウンセラー
元引きこもりのカウンセラー。現在は講師として、毎週(土)講義を行う。
都内のクリニックでカウンセリングも行っている。