傾聴よりも大切なたった一つのこと
話を聞く時、
技術よりもとっても大切なことがあると、
スーパービジョンという、
カウンセリングの指導を受けていると感じます。
それは、相手が話す現実をどのように受け止めるか
ということです。
悩み相談で語られるのは、多くの場合、
「問題」です。
~ができない。
自分が嫌い。
自信がない。
依存的である自分を何とかしたい。
うつ病である。
怒りがどうにもできない。
といったように、多くの人が語るのは、
「問題」なのです。
でも、この問題を問題として受け止めると、
上手くいかない。
それを最近つよく痛感するのです。
先生に、
「その方は、うつ病で…。
今まで一生懸命に頑張って生きてきたのです。
でも、最近うつ病の症状がでて、云々かんぬん…(問題を語る)。」
という相談をすると、その先生は、
「その方は、頑張らないことで自分の存在価値を
認めることを今したいのかもしれないですね。
だから、何もしなくても生きているだけでいいんだ。
そんな自分といる時間の援助が大切です。」
と静かに語りました。
問題を語る僕に、その先生はそっとそう語ったのです。
「何」を「どのように」切り取るのか
それがとても大切なのだと感じた瞬間でした。
「依存的なんです。」とまた、
僕が問題を語ると、その先生は、
「その方はその人にとっては、たった一つのほっとする
大切な居場所だったんじゃないですか。」
とまた、静かに語りました。
「何」を「どのように」切り取るのか。
僕たちは、問題を問題と捉えて、
問題を問題として聞く。
でも、それだとやっぱり上手くいかない。
「何」を「どのように」切り取り、話を聞くのか。
それが何よりも大切なのだと最近は感じるのだ。
問題とされるものを、
僕たちはどのように受け止める事が出来るだろう?
その口から語られる言葉を、
僕たちはどのように受け止める事が出来るだろう?
そこにどのように希望を見出す事が出来るだろう?
そして、どんな現実を一緒に創っていけるだろう?
