カウンセリングの中で、

能力を上げるトレーニングをすることが間々あります。

 

僕には、この能力を上げるトレーニングというのが、

どうにもカウンセリングっぽい感じがせずに、

あまり気が進みませんでした。

※勿論、今もあまり…。汗

 

でも、こういったトレーニングもある程度効果があるのだなと、

そう実感した出来事がありました。

 

それはある時に、

あるクライアントさんに対して、

人の気持ちを想像するトレーニングを行った時のことでした。

 

最初は、勿論難しく、

なかなかできませんでした。

 

文章で振り返ったり、

ビデオで振り返ったりを繰り返していくに、

少しずつ人の気持ちに対する想像力が高まり、

今までこう思っている、こう感じているに違いないという

一択だったのが、二つに増え、三つに増え、

少しずつ人の気持ちに気づける幅が広がっていきました。

 

ただ、それでも本当に現実生活でそれが効果があるのか、

活かせているのか不安でした。

 

でも、カウンセリングの始めにクライアントが、

「最近ちょっとだけ楽になりました。」

と語ってくれたので、

その理由を聞いてみたらこんな答えが返ってきました。

 

「ちょっと人の気持ちを考えるようになって、

それで今までよりも少し楽になりました。」と。

 

カウンセリングというと、

クライアントが自分で気づいて

自分で問題を解決できるように援助をする。

 

そんなイメージがあるかと思いますが、

地道にコツコツ、

スキルを磨いたり、

能力を上げたりすることが、

役に立つ時もあるのだなと、

そうつくづく感じたのでした。

 

勿論、カウンセリングの先生から

「能力を上げると、その方が対処できる幅が広がりますから、

クライアントが自立していく一助にもなりますよ。」

とは教わっていたのですが、

何だかずっとピント来なかったのです。

 

何でもそうですが、

実際に自分で体験してみて、

自分の心を通して腑に落ちたものしか、

やはり身についていかないですし、

自信を持てないものですね。

・JCA カウンセリング・傾聴スクール 講師 
・カウンセリングルームこころ音 カウンセラー
元引きこもりのカウンセラー。現在は講師として、毎週(土)講義を行う。
都内のクリニックでカウンセリングも行っている。