「どんな気持ちが一番その人を苦しめているんだろう?」

感情を中心にカウンセリングを学んできた僕は、

こう自問することが多く、

実際に今でもそうです。

 

でも、これだとなかなか上手くいかないことも実際多く、

どうしたものかと思って振り返っていると、

また先生の言葉を見つけました。

 

何度も繰り返し復習したはずなのに、

人というのは忘れる生き物ですね…。

自分がたまに嫌になります。(笑)

 

さて、話を戻して先生の言葉とは、

「何が一番この人を苦しくさせているのだろう?」

というものです。

 

うろ覚えですが、その時にこんなことも言ってくれました。

「野川さん。こう考えると症状が一番つらいというのは、なくなりますよね。」

と。

 

何が一番その人を苦しめている?

と問うた時、

うつ病の症状が苦しいとはならんですよね。

ということなのです。

 

確かに例えば頭が回らないとか、

やる気がでないこと自体は辛い。

 

でもそれがこの人を一番苦しめていることかというと、

答えは大体の場合「NO」になると思うのですよ。

 

なぜならやる気が出ないことが一番苦しいんじゃなくて、

やる気が出ないことで、

やりたかったはずの勉強が出来なくって、

自分は本当にやりたかったのか?と疑う心が出てきたり、

なんで自分はこんなになってしまったんだ。

なんて自分はダメな人間なんだろうと、

自分を責めて、

以前の自分が失われてしまったように感じることの方が、

やる気がないことよりもきっとずっと辛いからです。

 

「何が一番この人を苦しめているんだろう?」

と考える時、

僕たちの相手を見る視野は少し広がります。

 

症状や目の前の人が語ることだけではなく、

もうちょっと全体や時間の流れを捉えるようになります。

 

つまり、もうちょっと幅広く相手のことを捉えようとします。

そして、感情的な苦しみだけではなく小さな苦しみも見つかります。

 

「何が一番この人を苦しめているんだろう?」

と考える時、

僕たちはもうちょっと今よりも、

きちんと目の前の人を見れるようになるんじゃないかと、

そんなことを最近感じるのでした。

 

そして、やっぱり”人”として目の前の人と向かい合いたいと、

その為にもこの記事に書いた言葉を今度は忘れないように、

何度も思い出そうとほんのり心に誓ったのでした。

・JCA カウンセリング・傾聴スクール 講師 
・カウンセリングルームこころ音 カウンセラー
元引きこもりのカウンセラー。現在は講師として、毎週(土)講義を行う。
都内のクリニックでカウンセリングも行っている。