悲しみや不満を強く抱えているけれど、

なかなかそれを言葉に出来ない方がいます。

僕のところには、そういう方が多く来ます。

わかってもらえた経験や、

受け止めてもらえた経験が極端に低い方や、

自分から言わずに諦める事が多かった方です。

そういった方は、

悲しみや痛みを抱えていますが、

なかなか言葉にすることが出来ません。

こちら側からねぎらったとしても、

一時的に気持ちは楽になりますが、

また痛みがたまってきてしまいますし、

もうひとつ弊害があります。

それは、ねぎらいや共感だけですと、

今の状態を「保証」してしまうことになりがちなので、

相手のその言わないというパターンを保証し、

やっぱり私は悪くないのだ。

やっぱり辛いと感じていいのだと、

今の状態から動きがなくなってしまいます。

すると、現状は変わっていませんから

一人で抱え、伝わる喜びを味わえないまま、

孤立していきがちになってしまうのです。
そこで、どうしたものか、、、。

と悩んでいたところ、先日スーパバイズを受けた時に、

その話になり、こんな話を頂きました。

「自分の気持ちを押し込めていますから、そこに対して労いをしましょう。」

「その上で、その気持ちをまずはカウンセラー側に共有してもらいましょう。つまり、言葉にしてもらうのです。そして、それが今の状態を少しでも良くする道へと繋がっていくんですよと伝えてみるのです。」

そこでハタと気づきました。

確かに、、、伝わった経験がないのだろう。

だからカウンセラー側がまずは安全な場で受け止める事が大切なのだと。

今まで諦めて言わない選択をしてきたが、

今はそれを学び直すタイミングで、

安全な関係性のもとで、

表現の仕方を学び、

言ってもいいんだと感じてもらうこと、

それが今の状況を少しずつ進めていくのだと、
先生の言葉でそう学び直したのでした。
僕たちはいつだって学び直せる。
言えなかった経験も
諦めていた気持ちも、
安心・安全な関係から。
・JCA カウンセリング・傾聴スクール 講師 
・カウンセリングルームこころ音 カウンセラー
元引きこもりのカウンセラー。現在は講師として、毎週(土)講義を行う。
都内のクリニックでカウンセリングも行っている。