カウンセリングでは、
アドバイスをする時もありますが、
アドバイスをする前に極力自分で考えてもらえるような関わりは大切です。
ただカウンセリングでは、
「こうした方がいいですか?」
「あ~した方がいいですか?」
といったような質問を受けることがよくあり、
ある程度対応方法などを学んでいないと、
困ってしまうことがありますから、
今日はそのいくつかをご紹介させて頂きますね。
パターン①質問をかわして、考えてもらう。
「ん~どうでしょうね。難しいですよね。あなたはどう考えているんですか?」
といったようにかわして、
自分もなかなか答えられないです~。
難問ですものという雰囲気を出して、
相手に考えてもらうように援助をするやり方です。
ただ、信頼関係が築けていればいいですが、
そうでなかった場合や、
伝え方がぶっきらぼうになってしまったりすると、
相手と心の距離が開いてしまうこともあります。
パターン②交換条件という形を表面上出して考えてもらう。
「そうですね。最善を選びたいですもんね。」
「勿論、僕自身にもそれについての考えはありますが、まずはどう考えているかあなたの考えを教えてもらってもいいですか?」
といったように、
相手の気持ちを汲みつつ交換条件という表面上の形を出して、
相手に自分の考えを語ってもらうという方法もあります。
そこで考えが出てくれば、その理由なりを聞いて話を深めていく。
また、スケーリングクエスチョンなどを通して、
「それが出来る自信は、10点満点中で何点?」
「○点を1点あげるとしたら、その為に何が必要?」
といったような方向性で援助をすることが出来ます。
ただ、答えが相手から出てこなかった場合は、
また別の角度からの対応が必要になります。
パターン③相手の状況を保証しつつ協力関係を築く。
「そうですね。そんな状況ですと何をどうしたらいいか分からなくなるのも当然です。」
「正しい判断をしたいですものね。」
「だからこそ、その為にもまずは答えを知る前に問題を一緒に解いていきませんか?」
「今、その決断をするにあたって何が一番引っかかっているのですか?」
「それが解決したら起こる一番いいことは?しなかったら起こる最悪のことは?」
といったように、相手の状態を保証しながら、
「どうしたらいい?」の意図を汲みつつ、
課題を自ら解決できるように伝える。
その際に、自分で解いて下さいというと突き放された感じがありますから、
「一緒に」と伝えて共同作業感を出していく。
その上で、解決すべき問題の中でその決断を止めているひっかかりを聞いていきます。
そして、
「それが解決したら起こる一番いいことは?」
「それが解決しなかったら起こる最悪のことは?」
ということを聞くのは、
ひっかかりや問題(一番困っている事)のせいで、
何が起こることを想定しているのか?
を理解することで援助がしやすくなりますし、
クライアント自体最悪な方をそこまで具体的に想像しておらず、
その逆の最良の事態も想定していないケースが多く、
バランスよく考えてもらうことで、
現実的な考えや選択が出来るように援助をする。
という方法もあります。
このようにアドバイスを求められた時というのは、
相手に出来るだけ考えてもらう方向性で援助をすることが大切ですが、
うつ病などで心理的なストレスがとても多く、
混乱していたり苦しみが強い場合などは、
この限りではありません。
そういった場合は、専門家としてアドバイスをすることがありますが、
その伝え方というのも案外難しいのです。
ですから、次回のメルマガではその辺りもお話したいと思います。
