『相手を労う時に必須なただ二つの視点。』

相手を労う時は、

相手の苦労や苦しみを感じ取り、

その感じ取った苦しみに対して労りの言葉を掛けていくわけですが、

この苦しみには2種類あります。

 

それは、

「今現在の苦しみ」と「蓄積されてきた苦しみ」です。

 

今現在の苦しみは、

目の前の人が今出ている苦しみです。

例えば、大切な人に振られてしまったとしたら、

悲しみが強いでしょう。

そして、これが今出ている現在の苦しみになります。

 

つまり、今現在の苦しみとはその瞬間に出ている苦しみということです。

 

一方で、「蓄積されてきた苦しみ」というのは、

今この瞬間に出ている苦しみとは別軸である苦しみです。

それは、過去から今までよく感じられたであろう苦しみです。

 

それには、「ついつい~してしまう。」という心の癖が関係しています。

例えば先の例で大切な人に振られた方が、

ついつい自分の気持ちを言いすぎてしまうという心の癖があったとしたら、

どのような苦しみをこれまで抱えてきたと思いますか?

 

可能性として、

自分でも止められず、

言いたいことをハッキリと言わないと気が済まないのだったとしたら、

ぶつかることで喧嘩になることも多かったでしょうし、

それで相手が受け止めてくれずに離れていくこともあったでしょう。

そして、それは何も恋人だけではなく、

日常の友人や仕事での場面でもそうかもしれません。

 

または、また言いすぎてしまったと後悔を抱え、

なんでいつも自分を肝心な場面で言いすぎてしまうんだろう。

また傷つけてしまった…。と自分を責めて来たかもしれません。

 

はたまた、隠し事が出来ず、

本音で向き合うことを大切にしてきたが為に、

周りとの温度差があり、

孤立感を感じてきたかもしれません。

 

もしそうだとすると、

また一人になってしまった。

自分の気持ちは誰も受けて止めてくれない。

そんな悲しみを抱えてきたかもしれません。

 

このように「蓄積されてきた苦しみ」というのは、

「今現在」その瞬間に出ている苦しみとは違うもので、

心の癖故に抱えて来たこれまでに繰り返し味わってきた苦しみなのです。

 

相手を労わる時は、

今出ている苦しみを労わることも大切ですが、

その裏に流れている、

その人の人生の中にずっとある苦しみを受け止めて、

労わっていくことも大切なのです。

 

ただ、この苦しみはご本人は直接言葉で語ってはくれません。

 

ですから援助側が相手の気持ちを汲む必要があるのです。

想像力を働かせ、

相手の心の癖に気づき、

その裏にあったであろう苦しみに声を掛けていく。

 

そして、それは本人が悪いわけではなく、

この人生という時に厳しい道を生き抜く上では、

とっても大切であり、

そうやって頑張ってきたんだという視点も加えて、

労いの言葉を掛けていくことが大切なのです。

 

勿論、これが難しいんですけど!

・JCA カウンセリング・傾聴スクール 講師 
・カウンセリングルームこころ音 カウンセラー
元引きこもりのカウンセラー。現在は講師として、毎週(土)講義を行う。
都内のクリニックでカウンセリングも行っている。