相手の話を丁寧に聞いていく上で、

基礎となるのは、

相手に安心して気持ちよく話してもらうことです。

 

これはとても大切なのですが、

実は二の次なることが多いのです。

 

というのも、

具体的にどのように聞いたらいいのかという技術の側面や、

どのようにすれば力になるのかとか、

どのような質問をすればいいのか、

どのような言葉を掛けていけば、

相手に対する心理的な援助になるのかという、

具体策に人は目が行きがちだからです。

 

その為、こういう聞くという行為のベースにあるものを見逃してしまいます。

見逃していなかったとしても、

相手が気を使って話しているのにも関わらず、

安心して話してくれていると勘違いしてしまったり、

沢山話してくれているから、

しっかりと受け止められていると感じたり、

受け止めているから、

否定していないから大丈夫と考えてしまったり、

つまり、安心して気持ちよく話してもらうことは出来ていると考えて、

そちらがおざなりになり、

冒頭に書いたようなことが出来ていない方は案外多いのです。

 

基本というのは、やはり大切です。

聞く技術を学ぶ前に、

相手に安心して気持ちよく話してもらう為にも、

僕たちは自分の在り方をチェックすることも大切なのです。

 

そして、それは日ごろからちょっと意識をするだけで、

何度でも身を引き締めて、

自分の在り方を変えることが出来ます。

 

例えば、こんな問いを自分にすることによって。

 

しっかり目を見て話を聞けているかな?

自分のイライラやストレスを持ったまま聞いてないかな?

ちゃんと聞いているよ、安心して話してという雰囲気を出せているかな?

相手の話の間を大切に出来ているかな?

自分の間で話を聞いていないかな?

「でも」とか「いや」をつかって無意識的に否定していないかな?

「結局何が言いたいの?」というように、

とりとめがなさそうな相手の話を勝手にまとめてないかな?

苦しそうな相手を見て自分が苦しくなって、

励まそうとしていないかな?

相手をジャッジしていないかな?

問題を解決しようとしすぎてないかな?

もしそうだとしたら気持ち受け止めているかな?

 

といったことを自分に問いながら、

日々の聞き方を整えていきましょう。

 

全部意識することなんてできないですし、

忘れていても大丈夫。

 

思い出せる限り大丈夫です。

 

思い出したらまた何度でも始めればいいんです。

 

聞くのはある種の修行みたいなのですから、

繰り返し繰り返し、

体に染みつくまで、

思い出したらその時にまた意識してやってみる。

 

そんな繰り返しなのですよ。

・JCA カウンセリング・傾聴スクール 講師 
・カウンセリングルームこころ音 カウンセラー
元引きこもりのカウンセラー。現在は講師として、毎週(土)講義を行う。
都内のクリニックでカウンセリングも行っている。