「なんか悲しいは悲しいんだけど、

前と何だか違う気がします。」

 

こういうように変化を語ってくれる方は多くいます。

 

その時、

僕は今まで「前の悲しみと何が違う気がしますか?」

と質問をすることが大半でした。

 

でも、この援助の仕方だとあまり上手くいかないのです。

 

何故かというと、

せっかく感情を感じていて、

その違いも心身で感じていたのに、

この質問自体が”認知”の質問になっていますから、

クライアントが心身から離れてしまって、

思考へといってしまい、

途端に体験の質が落ちてしまったり、

感情から離れてしまって、

ワークの流れが途絶えてしまうことがあったのです。

 

そこでどうしたものかと考えていたら、

たまたま買った本にその対応の答えの一つが書いていました。

 

冒頭の場面の時、

僕は次のように援助をすればよかったのです。

 

「今出ている悲しみはどんな感じがしますか?

言葉にしなくて大丈夫ですから、

少し時間をとってゆっくり感じてください。」

と。

 

いやぁ、大変勉強になりましたし助かりました。

 

このように問いかけることが出来れば、

クライアントは自分の感情体験をそのままに感じることができ、

さらにその気持ちを認知で意味づけるするのではなく、

湧き上がってきた心から答えを受け取ることが出来ます。

 

前と違うという言葉をピックアップして、

「今出ている悲しみ」は、

前と区別した上で、

今クライアントが感じている気持ちにフォーカスをしてもらう。

 

いやはや、

自分では全く思いつかない質問だったのと、

とてもよくデザインされていて、

大変勉強になりました。

 

ちなみに読んだ本は、

「あなたのカウンセリングがみるみる変わる! 感情を癒す実践メソッド」

(花川ゆう子著)

です。

 

おすすめですので、是非読んでみてくださいね。

・JCA カウンセリング・傾聴スクール 講師 
・カウンセリングルームこころ音 カウンセラー
元引きこもりのカウンセラー。現在は講師として、毎週(土)講義を行う。
都内のクリニックでカウンセリングも行っている。