カウンセリングにおける見立てとは、

今後のカウンセリングの援助方針を立てることです。

 

その為に、家族歴や相手の長所、関係性、心の癖、感情面など

様々なところを聞いたり観察なども通して情報を集めていきます。

 

そして、クライアントの同意の下で契約といって、

「○○に困っているからこのように解決していきたい。」

という問題の焦点を絞り、

解決のゴールを共同で立てていき、

ではこのカウンセリングでは、

今仰ったことについて取り組んでいくということでいいですか?

という合意を取ります。

 

この合意を取る過程では、

基本的にクライアントさんが自分で

「これが問題でこう解決したい。」

と語ってくれるのがベストですが、

鬱状態がひどい時などそうもいかない時があります。

 

そういう時は、カウンセラー側が保護的に関わり、

見立てを下にこのようなテーマがあるように見え、

それを改善するにはこのようにやっていくことも有効ではないか。

いかがでしょうか?

というように提案をすることもあります。

 

この時に、僕は毎回ちょっと怖さを覚えます。

 

「この方向が間違っていたらどうしよう…。」

「余計にひどくなったらどうしよう…。」

「人の人生の選択に影響してしまう…。」

 

そんな怖さを覚えるのです。

 

勿論、クライアントの合意は取っていますが、

それでもなんだか相手を導いてしまいそうな時もあり、

こういう見立てを下に、

援助側が提案をしていくスタイルの時は、

やはり怖さが伴うのです。

 

でも、この怖さはプロとして持っているべきものだとやはり感じます。

 

怖さがなければ慎重さが伴わず、

上手くいかない可能性に目が行かずにリスク管理が出来ません。

 

また、怖さがあるから援助者が突っ走ることも少なくなってきます。

 

怖さがあるから傷つけないように、丁寧に関わることが出来ます。

 

怖さは持っていて然るべきものであるとやはり感じます。

 

そして見立てて介入する時は、その”怖さ”をセンサーに、

”あ、今こちら側(自分が良いと思う方)に傾いていたかもしれない。”

”どんな危険性があるだろうか。”

とそういったことを認識しながら、

相手を信じ、

自分を信じ、

関わっていくことが大事です。

・JCA カウンセリング・傾聴スクール 講師 
・カウンセリングルームこころ音 カウンセラー
元引きこもりのカウンセラー。現在は講師として、毎週(土)講義を行う。
都内のクリニックでカウンセリングも行っている。