今日は、ちょっと自制と自律の話をしていきます。
なぜならカウンセリングにおいてこの二つはちょっぴり大切だからです。
というのも自制心があまりにも弱いと自分の欲求に飲まれてしまい、
苦しみが増してしまいますし、
自律心が育まれていないと、
自ら行動を取って生きていくことが出来ないからです。
ですから二つを育んでいく視点もカウンセリングでは大切なのです。
ではでは、自制心から説明していきましょう。
自制心とは?
自制は、自分をマネージメントする方向性です。
これを説明するには、交流分析のPACという概念が役立ちますから、
そこから簡単にご説明していきましょう。
交流分析では、自分の自我状態の3つに分けているのです。
その3つが「PAC」です。
これは、それぞれParent,Adult,Child の頭文字を取っています。
Pは、親の部分です(父のように厳しい面と母のように優しい面を持ちます。)
Aは、大人な部分であり、PとCのバランスを取ります。
Cは、子供の部分です(従順な良い子と自分の気持にそのまま従う自由な子の二つの面があります。)
この3つの自我状態が人にはありますが、
自制とは、Pの厳しい分(こうあるべきとか。)や
Cの自由な部分(好きなことだけしたい。)といったような欲求を
マネージメントするということです。
そのマネージメントする部分がAの大人な部分なのです。
僕たちは、自分の気持をその時に何が必要かを欲求だけに飲まれることなく、
自らを積極的にマネージメントすることが出来ます。
これが自制です。
スポーツなどではこの自制心がとっても大切ですよね。
我慢といったニュアンスだけではなく、
積極的に自分をマネージメントしていき、
集中したり、冷静さを保ったりといったように、
僕たちがパフォーマンスを発揮する上ではとても大切なのです。
ただ一般的に自制=我慢といったニュアンスがある為に、
あまり良いものという印象がないようにも僕は個人的に感じていますが、
この自制はとっても大切なのです。
自分を上手くマネージメントできる喜びは、
結構大きいものです。
自律心とは?
一方で、自律は「自分の規範に従い、自らの行動していくこと」であり、
自分が主体になって行動をしていくことですよね。
これは、自分がリーダーシップを持って生きていくことに似ています。
先ほど説明したように僕たちには、子供の自我や大人の自我があります。
こうあるべきというものから、こうしたい!といったものまでです。
そして、そういった自我状態なの中には様々な気持ちや価値観があり、
そういった様々な指針をもとに僕たちは日々行動しているわけです。
自律するということは、そういった様々な価値観や気持ちを吟味して、
その一つだけの自分(自我)や、その一つだけの気持ちや価値観にとらわれるのではなく、
総合的に吟味して、自分がしたいように行動をしていくことです。
僕たちは、いろんな自我状態がありますが、
そのどれも自分というものを一側面を表しているに過ぎません。
それは気持ちも価値観も同じです。
僕たちは、自我以上の存在であり、
気持や価値観以上の存在です。
例えるならば、自分株式会社があって、
その中にいろんな価値観や気持ちで働いている人がいて、
あなたはその会社のトップです。
それぞれの部門の人たちの言うことを聞きながら、
時に部門間で衝突することもありますが、
それでもそれぞの意見を聞いて総合的に判断をし、
自分株式会社がどのようにしていけば、
より成長していくのか幸せになっていくのか、
そんなことを一段高い所で眺めている。
そして今日はこっちにいくぞ~!
これはからはこっちに向かっていくよ。
この会社はこういうことを大切にしていくよ。
なんて旗を掲げていくのが僕たちの役割です。
自律は、そんなように自分のリーダーシップを取っていくことなのです。
何かを成し遂げる時、
何かをしようとする時、
上手く自分の欲求をコントロールできる喜び。
何かをしていこうとする時に、
誰かから言われたわけではなく、
主体的に自分がしたいように行動していく、
それも欲求だけではなく、
いろんな気持ちを大切にしながら進んでいく喜び。
このどれもが大切で、このどの視点も
カウンセリングではとても大切なのです。