2分思考から灰色思考へ

2分思考から灰色思考へ。

2分思考は、白黒思考とも呼ばれ、

10個ある認知の歪みのうちの一つとも呼ばれています。

白か黒か!どっちかしかしない。

0か100か!そのどっちしかない。

そんな思考が白黒思考です。

つまり、中間点がないのです。

だからこう考えたりします。

「上手くいかなかったら、何も意味がない!」

「下手ならやる価値はない。」

「成功しないと、すべてが無意味。」

「好きじゃないなら、嫌い!ってことね!」

「正しいか、正しくないかだ。」

といったように、白か黒かで考える。

すると、グレーゾーンがないのでちょっと辛いのです。

悩み相談を受けていても、この白黒思考の方がたまにいます。

僕「Aという点は、少しでも上手くいったんじゃ…?」

相手「いや、上手くいってないです。失敗です。」

僕「ですよね~…。(^^;」

といったような感じです。

すると、本人はちょっと辛いのです。

ただここで、白黒思考はダメだ!と聞き手も考えてしまって、

それダメだよ!っていうと。

それも、白黒思考に陥り、同じ土俵に入ってしまう罠があります。(笑)
(「良い」と「悪い」で判断しているから。)

じゃ~どうするのん?

というと論理療法では、その白黒思考に対して、

歪みを修正する取り組みをおこなったりします。

ただ、今日はその方法は取り上げません。

(ネットでお調べいただければ、その方法は沢山出てきます。)

もう一つの方向性としては、聞き手側のスタンスとして、

「どっちでもいい。」というスタンスで関わること。

そして、どっちもいい面・悪い面あるよね。

というスタンスで関わること。

そしてそして、リフレーミングといって、

見方を変えてみる取り組みをしてみること。

それはたとえばこんなように…。

「灰色って、夕焼けの色だよね。

昼から夜をつなぐ色。夕焼けがやがてグレーをつなぎ、

真っ黒な夜が来る。そして、今度はその真っ黒な夜の色が、

薄れてきて灰色へと変わり、朝日の色へとつないでくれる。

この世界を彩るのには、どの色も欠かせないし、

どんな色にもうつろい、揺らぐ過程があって、

そうやって世界はできているってもうあなたは気づいても

いいかもしれないなって。」

といったように、中間=ダメという枠を、

中間=とても大切な色という枠組みにかえる試みを

してみるのもいいかもしれません。

いずれにせよ、聞き手側が同じように、

白黒思考で話を聞いてしまうと、

お互いに辛くなってしまいます。

勿論、最初はペース合わせとして、

相手の白黒思考に合わせてお話を聞いてきますが、

その思考がダメだとジャッジするのではなく、

「その考えに救われた部分もあるよね。」

「そうやってくっきりとメリハリつけることが

これまで必要だったよね。」

「そして、それが上手くいかなくて、

自分を苦しめる瞬間が増えてきたことにも、

気づき始めてきたんだね。」

といったように、受容しつつ気づきを促したり…、

さっきのようにリフレーミングを織り交ぜてみたり。

話の聴き方には、いろんな種類がありますが、

どれも大切なのは、「相手の世界を否定しない」

ということです。

理解を示しつつ、話を聞く、

そして、相手が「不自由」を感じていたら、

気づきを促してみたり、その不自由さに焦点を当ててみたり、

見方を変える試みをしてみたりしてみる。

そんな援助も大切なのかなって思います。

・JCA カウンセリング・傾聴スクール 講師 
・カウンセリングルームこころ音 カウンセラー
元引きこもりのカウンセラー。現在は講師として、毎週(土)講義を行う。
都内のクリニックでカウンセリングも行っている。