積極的に聞く事が本当の傾聴です。

傾聴って一般的には、

「うんうん」って聞くイメージがあるけれど、

以前も書いたり、

講義でもお伝えしていますが、

傾聴とはActive Listeningのことを指し、

積極的に聴くということです。

積極的に聴くので、

受動的に聴くわけではありません。

その為、けっこう気持ちのフィードバックなどを

沢山するのです。

 

そして、この中で大切になってくるのが、

非言語のフィードバックです。

 

傾聴においても、「明確化」といって、

まだ相手の言葉になっていない気持ちに対して、

フィードバックをしていくという技術がありますが、

ちょっとだけこれとは違います。

 

ここでいう非言語のフィードバックは、

見て取れたこと。(視覚情報)

聞いて取れたこと。(聴覚情報)

感じ取れたこと。(体感覚情報)

の5つの五感を通して、

受け取ったものを相手にフィードバックするということです。

 

例えば、「やりたいです。」

という声が弱々しく聞こえたのならば、

「自信がないように聞こえます。」とか、

話を聞いていて、肩が重いように感じたら、

「話を伺っていると、なんだか肩が重く感じます。」

と伝え返したり、

笑っている笑顔がどこか悲しげに見えたら、

「何やら悲しいように見えます。」と伝え返したり。

こういったフィードバックをしていきます。

そうすることで、より相手が自分の気持ちに気づいたり、

より相手の深いところにアプローチができるのです。

もちろん、ただお話を聞いていくだけでも、

それは可能ですが、

非言語のフィードバックなしですと、

ちょっと時間がかかるのです。

 

なぜなら言語的なフィードバックばかりですと、

頭と頭同士のコミュニケーションになり、

気持ちの整理がなかなか進まないことがあるからです。

 

人は何を話すかという言語内容もそうですが、

いかに話すかの非言語にも感情が多く含まれていますから、

そこに気づいてフィードバックをすることが有効なのです。

 

ただ、こういった聞き方はなかなかしませんから、

ちょっとだけトレーニングが必要です。

そして、このトレーニングをすると、

話の内容ではなくて、

相手の気持ちに意識が行くようになりますから、

相手の話に巻き込まれにくくなります。

 

傾聴においては、

言語的に聴くだけではなくって、

非言語も聴くことがとっても大切で、

ロジャースさんは、

この部分もとっても大切にしていたように感じます。

傾聴のスキルというと、

オウム返しや要約といった言語的部分が注目されますが、

何より大切なのは、

言語そのものではなくて、

その背後にある気持ち(非言語)なのです。

 

ここでお伝えしている傾聴では、

そういった非言語に対して積極的に声をかけていき、

その非言語(気持ち)をくみ取り、いたわっていく。

そんな傾聴をお伝えしています。

 

非言語に関してより詳しくは、「非言語コミュニケーションのトレーニング」の記事をご覧くださいね。

・JCA カウンセリング・傾聴スクール 講師 
・カウンセリングルームこころ音 カウンセラー
元引きこもりのカウンセラー。現在は講師として、毎週(土)講義を行う。
都内のクリニックでカウンセリングも行っている。