ただ聞くだけじゃダメな時がある。

ずっと聞いているだけではダメな時があります。

ただただ受容的に「うん、うん」って聞いていれば上手くいくときもあります。

しかし、一方でそれだけではうまくいかない時も多くあります。

逆に、「うん、うん」っていうその相槌がかえって相手の変化を妨げていることもあります。

なぜこんな事が起きるんでしょうか?

受け入れる事がすべてではない。

当たり前ですが、受容的な態度は大切です。

ただ、時には受容的な態度がよりも大切なことがある瞬間があるということです。

僕が引きこもりを出れたのは、家族が勇気をもって受容ではなく、

あることをしてくれたからでした。

 

「あいつも大変なんだ。」

「理解してあげなくては、それも一つの価値観だ。」

と受け入れて、そのままずっと同じ態度をとってくれていたら、

もっと僕は脱出するまで時間がかかっていたかもしれません。

 

カウンセリングの場面でも、僕と同じような事が言えるシーンがあります。

カウンセラー「それは大変でしたね。」

クライアント「そうなんです。もう誰もわかってくれなくて、○○さんだけなんです。分かってくれるの。」

カウンセラー「そうですか、それほど一人で頑張ってきたんですね。」

クライアント「そうんなんです。やっぱり○○さんだけです私のことわかってくれるの。」

 

さて、こういった受容的な態度で肯定していくと、

上手くいかないことが間々あります。

なぜでしょう?

受容的に接しているのにかかわらずです。

 

それは、カウンセラー側がクライアントを依存させてしまうからです。

○○さんがいないといけない状態は、あんまりいい状態とはいませんね。

そもそもカウンセリングは、自分の足で立って行ってもらう為にするので、

○○さんがいないと解決できない状態を作り上げる為ではないんです。
(多大なる自戒を含めて(^^;)

あえて依存してもらって解決を目指せるなら問題ないかと思います。

「うん、うん」と受け入れる事は、相手の行動を肯定していること。

さて、上記のケースですが、

よくよく聞いてい見ると、いろんな人に対してもおなじようなコミュニケーションを取ってたとします。

信頼できる人のみを見つけて、他の人から離れ、

自らを理解してくれる人のみ、自分の弱さを受け入れてくれる人のみを無意識に選んで、

関係を続けてきたとして、それは昔はうまくいっていったけれど、

大人になって多様な人間関係の中で生活していくうちに、

それではうまくいかずに、「誰も私のことをわかってくれない。」と相談に来たとします。

 

そこで、例えば先ほどのような受容的な態度を取り続け、

信頼できる人になって、その輪を広げていくことができればいいですが、

そうでない場合、結局、その信頼できる、受け入れてくれる人が、

友人からカウンセラーになっただけになってしまいます。

 

うんうん、と受容的に聞いているだけでは、そのパターンを

無意識に肯定していることにもなってしまうんです。

気づかないと人は変われない。

クライアントがそのことに”気づいていない”場合、

カウンセリングは結局うまくいきません。

人は”気づかない”と変われないからです。

気づいて、選択して、行動していくことで人は変わってきますが、

その”気づきが”上記のコミュニケーションにはないんです。

 

だからカウンセリングでは、時には受容的な態度だけではなく、

クライアントが、そのテーマを避けたり、逃げたりせずに、

”今まさに”起っている状況を共有する為に、

クライアントがそのテーマにしっかりと向き合えるように促すことがあります。

それを”直面化”といいます。

 

例えば、こんな風に、

・「理解してくれる人は、いい悪いを含めて理解してくれる人ではないですか?」
「時に、厳しくしてくれる優しさを受け入れる勇気が大切な時がありますが、
それについてではどう考えていますか」

・「私と同じように、これまで信頼できる人はどんな人でしたか?」

・「分かってくれる人を求めるよりも、自らが分かろうとすることの方が大切なんじゃないですか?」

・「いつまでもそうやって”一人”の殻に閉じこもっていますか?」

といったように、ぞの人が同じパターンを今まさに繰り返していることを、

相手と共有する為に、カウンセラーが働きかける。

すると、相手はそれに”気づき”、選択を迫られます。

 

それは、”続ける”のか”辞める”のかです。

 

その選択は、クライアントの選択です。

どちらを選ぶのも選択です。

 

カウンセリングにおいては、選んでいかないといけない時があります。

その時に、相手が選べるように促していくことが、

受け入れる事より大切な時があるんです。

 

ただ、この直面化、不用意に用いると大変なことになりますから、

気をつけてくださいね。

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・横浜実践心理学教室 講師 ・カウンセリングルームこころ音 カウンセラー

元引きこもりのカウンセラー。現在は講師として、毎週(土)講義を行ってる。 目指すは、「記憶に残らないカウンセラー」。カウンセラーのおかげより、自分の力で前に進めた実感を持ってほしい。ただ、理想への道のりは長い!

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