「過去は振り返るな!」

「もう、過ぎてしまったんだから、いつまでもくよくよしてもしょうがないだろ!」

そんなことを言われても、苦しんだよ!

頭ではわかってんだよ!

後悔しても意味ないって、でも考えちゃうんだよ。

あの時に、あの瞬間にあいつにあんなこと言わなければ…。

そうすれば、あいつと今も一緒に笑って、

バカみたいな話が、昔みたいに出来ているはずなんだよ…。

 

なぁ、なんであんなこと言っちゃったんだろ、

なんであんなに傷つけてしまったんだろう。

あいつ、ぐっと拳をにぎって、うつむいて、

唇をかみしめて、泣いていた…。

 

強く握った拳が、震えていて、頬を伝う涙をふきもせずに、

ただ、うつむいて、じっと最後まで俺の言葉を聞いて、

ただただ、黙って…。

 

最後に、声を振り絞って、

「言いたいことは言えた…?」って、もう諦めたかのように、

悔しさを、悲しさを超えてしまったかのように、ささやいた。

そして、それ以来、あいつは俺の前に姿を見せなくなってしまった…。

 

なんで、なんであんなことをあんなひどいことをしてしまったんだろう…。

 

もう何カ月もたっているのに、あの時の声や、歯を食いしばった顔や、

悔しさそうで、悲しそうな姿が脳裏に焼き付いて離れない。

 

過去を振り返るな!って、

いつまでもくよくよするな!って、

そういわれるけど、でも無理なんだよ!

頭から離れないんだよ!

 

いつも一緒に通ってい駅に行けば、あいつを探し、

マックにいけば、あいつが好きだった食べ物を思い出す。

ふと町中をあるいて、耳に入ってくる曲を聞いては、

「そういえば、この曲ってあいつ好きだったな。」って、思い出してしまう。

 

もう、どうしようも自分ではできない。

 

過去を振り返っちゃいけないのは、もうわかってる。

けど、どうしても止まらない。

あの時にもどれたらって、

「ごめんね」って、一言、

ただその一言だけ言えたら、どんなにいいか。

でも、わかっている。

できないのは、わかっている…。

過去を振り返り、終わらせるには。

あなたにも、こんな経験はありませんか?

”頭”ではわかっているんだけど、”こころ”がついてこない。

過去を振り返り、自分を責めてしまう。

いつまでも、あの時の事が気になってしまう。

 

こういう事をゲシュタルト療法というセラピーの一つでは、

”過去の未完了の体験”といいます。

 

過去の未完了ということは、その名の通り、終わっていない体験のことを指します。

通常僕たちが後悔しないのは、

自分が言いたい言葉を言えていたり、

とりたい行動をとれた時、

つまり思い残すことがない時です。

思い残すことがないこの場合のことを「完了体験」と言います。

 

一方で、後悔する時というのは、

思い残すことがある時です。

自分なりに言いたいことが言えなかったり、

したいことが出来なかったり、

言ってしまったけれど、

もっとこうあの時は表現すればよかった。

もっと○○出来たはずだ。

もっと○○していればと、

そう感じる時に、

僕たちは後悔します。

このように後悔が残ると、

まだ心の中でその体験が終わらず、

心残りがありますから、

いつまでも終わらず、

未完了となるとゲシュタルト療法では考えます。

これを先程説明した「過去の未完了体験」と言います。

 

では、どうやって未完了体験を

完了させていくのかというと、

今ここで、その時に言いたかった気持ちを

表現してもらったり、

後悔も、諦めなきゃ(前に進まなきゃ)

という両方の気持ちも今ここで、

十分に感じたり、

言葉にしたりして表現していきます。

 

「でも、もう過ぎ去ったことを今さら振り返っても意味ないんじゃない?」

そう考える方は多いですが、

そんなことはないのです。

 

僕たちは、中途半端に振り返っているから、

後悔が長続きしていることが多くあるのです。

 

あの時こうしていればという気持ちには、

叶わなかった、叶えたかった願いがあります。

 

でも、もう過ぎ去ったことと頭で考えて、

その大切な気持ちに蓋をします。

 

するとその気持ちはいつまでたっても完了しません。

 

また、前に進もうとする気持ちも、

頭ではわかってるけど、

やっぱりこうしたかったという気持ちが出てきて、

その気持ちにも蓋をします。

 

するとこちらの気持ちも未完了となってしまいます。

 

このようにどちらの気持ちも未完了になってしまう為、

後悔が長続きしてしまうのです。

 

だからこそ、過ぎ去ってしまったけれど、

心に残って今でもあるその気持ちを今感じ、表現していくこと。

過去から離れる為に、

前に一歩進む為に、その時に本当は言いたかった言葉を、

表現すること。

これはとっても大切なのです。

 

後悔を終らせるために。

 

よく過去を振り返るなっていうけれど、

振り返らなければ見えてこないこともあるんです。

 

今振り返ることが大切だから、

こころが思い出させてくれていることもまたあるんです。

 

今、振り返って、過去を終らせていく。

そんな体験もきっと大切だと思うんです。

・横浜実践心理学教室 講師 ・カウンセリングルームこころ音 カウンセラー

元引きこもりのカウンセラー。現在は講師として、毎週(土)講義を行ってる。 目指すは、「記憶に残らないカウンセラー」。カウンセラーのおかげより、自分の力で前に進めた実感を持ってほしい。ただ、理想への道のりは長い!

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