カウンセリングを学んでいた時に、
治療契約という言葉が出て来て
「何か物でも売るわけでもないのになぜ?」と、
添う疑問に覚えたことを今でも覚えています。
そこで今日は、以前の僕のように「?」マークがついている方の為に、
簡単に「カウンセリングにおける治療契約」に関してお話していきます。
さてさて、そもそもカウンセリングは医療行為ではありませんので、
「治療」という言葉は用いませんが、
100年以上前、精神科医のフロイトなどドクターがサイコセラピーをしており、
(勿論今もですが。)
そういった場面で用いられていた用語ですので「治療」が入っております。
そこでこれから治療という言葉を抜いて、
「契約」としてお話をしていきますね。
契約とはどんな意味?
ここでいう契約とは、クライアントのニーズを絞り、
取り組みたい心理的なテーマを相手に決めてもらい、
それに対して取り組むことをクライアントと合意を得ることを指します。
この契約は、カウンセリングにおいてとても大切です。
この契約をするかしないかが
一般的な相談とカウンセリングが違う所でもあります。
というのも日常生活において友だち同士の相談などでは、
相手のニーズの確認や合意を取らずに解決策を提示したり、
アドバイスをしたりといったようなことが多くありますが、
カウンセリングでは必ず「契約」を取り、
合意の上で相手の心理的テーマに対して取り組んでいきます。
なぜなら、契約を行わずに相談を行った場合、
双方にとって不利益が生じる可能性がある為、
相手のテーマに介入する前に必ず契約を取ることが重要なのです。
何に取り組みかを決めるのはクライアント。
契約において、何に取り組みたいのかというテーマを決めるのはクライアントです。
(うつ病などで一時的に考える力や心理的なエネルギーが極端に落ちている場合などは除く)
「○○に対して取り組みたい。」と自分の意志で選んでもらうことで、
自分の決断に責任を持ってもらうトレーニングにもなるのです。
自立した人生を歩んでもらう為にも、
自分の決断に責任をもつという姿勢はとても大切ですよね。
また、クライアントに取り組みたいテーマを決めてもらうことにより、
後から
「こんなことやりたくなかった。」
「○○先生に言われたからやったのに!」
といったようになることを防げますし、
クライアントに自分の選択に責任を持ってもらうことにもなるのです。
また、契約を取らずにカウンセラー側の主観的なアドバイスや見立てのみで、
カウンセリングが先行してしまった場合は、
最悪の場合は訴えられるなどのケースも考えられます。
また、自分がどうしたいのかを考えることは
「自分の人生を生きる」上で、とても大切な機会です。
その機会をできるだけ奪わずに、
本人が大切出来るようにすることもカウンセリングにおいては大切な援助となります。
※契約したテーマに関しては、たとえ援助側が違うと感じたとしても原則的にはそのテーマに付き合い
ます。
まとめ
さて、いかがでしたでしょうか?
カウンセリングでいう「契約」の意味はお分かりになりましたでしょうか?
相手が取り組みたい心理的なテーマを絞り、
何に取り組むかを決めていく。
そうすることで、カウンセリングという時間を
何の為これから使っていくのか、
そういったことが明確になり方向付けになると共に、
自分のテーマに関して責任を持って関わってもらうこで、
自立ができるように援助をする。
その為にカウンセリングでは契約を行っていくのです。
あ、そもそもカウンセリングとは?という方は、
こちらの「初めて心理カウンセリングを学ぶ方へ」をお読みくださいね!