ある日のこと。

いつもの通り、授業を終えて、

受講生とお話をしていた時のこと。
受講生からこんなことを言われました。

「勉強をしていて気持ちが見えるように、

なってきた。だけど、それがかえって辛い。」

というようなお話でした。
人はトレーニングを積めば、

なんとなくでも、

今までは見えてこなかった相手の表情や、

聞こえなかった声色や、

相手の微妙な仕草に気づけるように、

なってきます。
僕がカウンセリングを習った時に、

そういう瞬間を実感していきました。
そんな中で、

ある時に先生に、こんなことを言われました。

「野川さん、トレーニングをすれば今より、いろんな気持ちの変化に気づけるようになります。」

「でも、気づけるようになったら、前に戻ることができません。気づかなかったことにはできません。」

「そして、もしかしたら苦しいことの方が増えるかもしれません。それでも学びますか?」

と。

その時、ぼくは即答で「はい。」でした。
なぜこんな話をしているのかというと、

この前に受講生に冒頭のことを言われた時に、

そんなことがあったな〜と思い出したからです。

そしてね、

相手を理解しようと思って、

いろんな練習をしてきて、

ちょっとした変化に気づけるようになったら、

それって辛いことばっかりじゃなくて、

いいことも結構あるのです。
例えば、母親が子供を見る目に、

今まで以上に愛情を見ることができる。

その子供にかける声に、

優しさを今まで以上に感じることができる。

何気ない瞬間に見せる顔に、

安心した気持ちを見ることができる。

といったように、

相手のプラスの側面にもたくさん気づくことができる。
それって、とっても大切なことじゃないですか?
悪い部分だけじゃなくて、

いいところも観れるようになる。
それだけで、世界はちょっとだけ変わっていきます。

そうちょっとだけ。

でも、そのちょっとが、

人生においてとっても大切なんじゃないかと、

そう思っています。
そういうちょっとした相手の心も変化に気づけるように、

相手がみえるように、

傾聴基礎コースを開催しています。

・JCA カウンセリング・傾聴スクール 講師 
・カウンセリングルームこころ音 カウンセラー
元引きこもりのカウンセラー。現在は講師として、毎週(土)講義を行う。
都内のクリニックでカウンセリングも行っている。