オウム返し

あなたはオウム返しという言葉を聞いたことがありますか?

傾聴では、とても有名なスキルの人ですから一度は聞いたことがあるかもしれません。

このオウム返しが”うまく”できるようになると、相手がどんどん勝手に話してくれたりします。

そして、時に勝手に気づいていったりなんてこともあります。

そんなオウム返しとは、どんなスキルなんでしょう?

今日はこのオウム返しをご紹介してきます。

さて、オウムって、人が話した言葉と”同じ言葉”をリピートして、しゃべる事が出来ますよね。

そのオウムのように相手が話した言葉を伝え返すこと。

これを”オウム返し”(英語:バックトラッキング)といいます。

 

傾聴ではこのオウム返しを行うこともあるわけですが、

あからさまにやると嫌がれることもあります。

よくコミュニケーションスキルを学んだ人や、

カウンセリングを学び始めた人が使うのですが、

会話をしていて「話しづらい」なんて印象を与えてしまうこともあります。

 

オウム返しは、話を聞く上で有効なスキルの一つですが、

使い方を間違えて、何でもかんでも繰り返していると、

逆に相手が話づらくなってしまうこともありますから、

どのように用いていくのかもこの後お話をさせて頂きますね。

オウム返しとは、相手の単語や語尾を繰り返すこと。

さて、読んで字のごとし、オウム返しとは先に説明したように単語や語尾を繰り返すこと。

ただそれだけ。とってもシンプルなスキルです。

では、例を挙げていきましょう。

話し手:「今日はなんだ雨で嫌な気分だね。」
聞き手:「そうだね、雨でいやな気分だよね。」
話し手:「そうなんだよね。雨だとさ、なんだか気持ちが前に進まなくてさ…。」
聞き手:「そっか、気持ちが前に進まないんだね。」
話し手:「前に進まないのもそうなんだけどさ、嫌なことを思い出すんだよね。」
聞き手:「嫌なことかぁ~、、、。」

といったように、下線が繰り返しているところですね。

このように、相手の言葉や単語を繰り返していくのです。

また、このオウム返しですが、実は僕たちは自然と会話の中でやっていることが多いのです。

相手が例えば、「ディズニーに行った!」と言えば、「ディズニーに行ったの!?いいな~!」

と自然とやっていますよね。

そう、僕たちは自然とやっているのです。

その為、特に難しく考える必要もないですし、難しいスキルでもないのです。

さて、オウム返しをすると、どんなことが起きてくるんでしょうか?

オウム返しの効果

相手の言葉を繰り返すことで、意味があるのか疑問な方もいると思います。

そこで、単刀直入にそんな疑問にお応えするとしたら…、

意味がある時もあるし、ない時もある!となります。

はい、答えになっていませんね(^^;

コミュニケーションスキルは何でもそうですが、

時と場合によって何を選択するかが違ってきますから、

その時の最善を選択することが何よりも大切で、

スキルはその選択肢の一つに過ぎないのです。

その為、そのオウム返しを選択肢の一つとして選択した方がいい時も、

違う選択をした方がいい時も当然あるといった意味で、「意味がある時もない時もある。」とお答えしています。

 

さてちょっと話がそれましたので話を戻していきましょう。

このオウム返しは、コミュニケーションにおいてどのような効果が”期待”できるのでしょうか。

オウム返しをコミュニケーションの選択肢の一つとして用いるにも、どのような意味と効果があるのかそこが分かってないと、有効に用いることが出来ません。

そこで以下に簡単な効果をご説明させていただきますね。

➡オウム返しの効果

1…聞いてもらってる/分かってくれていると相手が思ってくれる。
2…相手の口から自分の言葉を客観的に聞くことで、気づきにつながることがある。
3…相手と同じ言葉を基本的に使うので、コミュニケーションのずれが少ない。

などの効果が”期待”できます。

1の補足

聞いてもらっていると相手が思ってくれるのは、自分が話した語尾や単語を繰り返してくれるからです。

自分がいったことを繰り返してくれると、聞いてもらっている感じがすることが多いですよね。

2の補足

人は言葉にしながら自分の気持や考えを整理していきますから、

相手が自分の言葉を繰り返してくれることで、自分の言葉を客観的に聞く事ができますから、

「あ、自分はそんなことを考えていたんだ!」なんて思って、自分の考えや気持ちが整理されることがあるのです。

3の補足

コミュニケーションのズレが少ないというのは、コミュニケーションギャップの話しです。

例えば、相手が「いや~仕事が辛いんだよね…。」と話してくれた時に、

あなたが「そっか。大変なんだね…。」と言い換えた場合、

相手から「いや、大変ではなく辛いんだよ…。」と言われてしまうかもしれませんよね。

すると、相手に「分かってくれていない…。」という印象を与えてしまうこともあります。

このようなコミュニケーションギャップは実は多かったりしますから、

オウム返しをすることで、そのギャップを少なくする効果もあるのです。

ただ言葉を繰り返すだけではほぼ効果はない。

さて、効果のお話をしましたが、結局の所 繰り返しているだけで本当にそんな効果がでるの?

と、疑問をお持ちの方も多いかと思います。

結論から言えば、繰り返している”だけ”では、そんなにその効果は期待できません。

それはなぜかというと、どのコミュニケーションスキルも、スキル単体では意味がなく、意図を伴って初めて効果が出てくるからです。

オウム返しもそれは同じです。

そしてこのオウム返しの意図は、相手が自らの内面と対話しやすいようにするというものです。

なぜ内面と対話しやすいようにするのかというと、傾聴では、答えは相手が持っており、良くなる力も相手の中に内在しているという前提があるからです。
※この前提は来談者中心療法というロジャースさんが創ったカウンセリングで謳われています。

この前提の下、お話を聴いていきますので、相手が自らの内面と対話をスムーズに出来るように、自らの気持に触れることが出来るようにオウム返しがその為の一つのコミュニケーション手段として、選択されるのです。

その為、ただオウム返しを繰り返しているだけでは意味がなく、ロジャースさんが信じていたように、相手を信頼し、受け止めて、共感的理解を示した上で、聴く手段としてオウム返しを選択することが大切になのです。

このオウム返しは、簡単にできますから、スキルの側面だけを取り上げて学ばれる方が多いですが、スキルだけを用いても、相手を信頼する態度や受容や共感が土台になっていないと、結局のスキルも意味がなくなってしまうのです。

さて、ここまではついてきていただいていますか?

少し長くなってしまいましたが、もうちょっとだけご説明をして終えようと思います。

次にお話をするのは、オウム返しの技術的側面です。

どこを繰り返すかで会話の流れが変わる。

スキルだけを繰り返しても態度が伴なってないと意味がないのです。

なんてお話をさせて頂きましたが、そういった態度の土台の上にでこのスキルを用いる時に、話を聴いてもらえているとか、受け止めてもらえていると相手に感じてもらう以外に、少し違った方向性でこのスキルを用いることが出来ます。

それをいくつかご紹介いたします。

一つ目は、「繰り返すポイントを変えることで流れを変える」です。

例えば…。

話し手

「いやぁ、今の会社やめようか続けようか迷っているんだよ。」
「でもさ、やっぱり今の会社続けていっても先がないし…。」

聞き手

「やめようか続けようか迷っているんだね。」

という会話がったとしましょう。

この時、
迷っていることを繰り返すこともできます。
そして、こう繰り返す事も出来ます。

「やっぱり続けていっても先がないって思っているんだね。」

というように、続けても今後の未来はそこない。
と思っている気持ちをオウム返しすることもできます。

このように、どのポイントをオウム返しするのかで、会話の流れが変わってくるのです。

迷っている気持ちをオウム返しするのか、続けても・・・という気持ちをオウム返しするのか、それによって今後の流れが変わることがあるということです。(ちょっと操作的ではありますが、、、。)

二つ目は、「オウム返しで相手が言ったことを強調する。」です。

これは、僕の先生がよく行っているテクニックです。

クライアントの言葉を意図的に強調して繰り返すのです。

例えば、「もう本当は嫌なんです…。」と相手が語った時に、

そうですよね!もう嫌ですよね!

といったように、わざと強調というか誇張をしてオウム返しをします。

そうすることで、相手の気持ちにより強く訴えかけることが出来ますし、

相手の言ったことをに対して、くさびを打つことが出来ます。

くさびを打つとは、相手の言葉に対して釘を打つという意味で、

強く自分が語った言葉を意識してもらい、その気持ちにとどまってもらったりすることです。

カウンセリングでいう直面化にも近いでしょうか。

自分と対峙すると言った方が分かり易いかもしれませんね。

そうすることで、より自分と向き合うことが出来ますが、

これはちょっと上級テクニックなので初心者の方は用いないようにしてくださいね。

 

初心者の方は、まずは以下の所を入口としてオウム返しをして頂いた方がいいかなと思いますので、そのポイントをさらっていきましょう。

オウム返しのポイントーどこを繰り返したらいいの?ー

さて、では最初はどこを繰り返したらいいのでしょうか。

人それぞれどんなことを理解して欲しいかも違いますし、その時にどんな気持ちなのか?

も違いますから、一概にこれを繰り返しましょうとは言えません。(汗

だから、どこかれ構わずに最初は”繰り返す”ことも大切です。

ただ、”安全な指針”はあります。

それは以下の3つです。

1.気持ちがのっているところを繰り返す。
2.ネガティブなことはあまり繰り返さない。
3.相手が理解して欲しいところを繰り返す。

最初はこの3つの指針に沿ってオウム返しをしてみて下さい。

ちなみに、ネガティブなところはあまり繰り返さない。
というところですが、この逆のポジティブな面だけ繰り返しても、
相手が息苦しさを感じる時がありますから、
相手のその時の表情・声のトーンなどの非言語を見つつ、
コミュニケーションを取ってくださいね。

最後に、これは僕の個人的な意見ですが、カール・ロジャースさんはオウム返しだけをしていたわけではなく、言葉を正確に伝え返すことを心がけていたわけでもないと僕は感じています。

積極的に言い換えもしていますし、相手の意図を汲みとりその気持ちに対して言葉を多く繰り返していたように感じます。

語尾の正確性よりも、如何に目の前の人の気持ちに沿った言葉を掛けられるのかが大切だと、ロジャースさんの逐語録(カウンセリングの場面を文字に起こしたもの)を読んで感じるのです。

なので、皆さんもオウム返しの形に囚われるのではなく、ゆくゆくはご自分なりに相手の気持ちに目を向けて、相手の気持ちに対して相手の世界の言葉で伝え返す事が出来る様になって頂きたいなと秘かに僕は思っています。

当スクールでもそういった思いを持って傾聴をお伝えしています。

その為、傾聴という応答技法の練習よりも、目の前の人を如何に理解し言葉を掛けていくのかに重点を置いています。

もしよろしければお越しくださいね。

傾聴基礎コースはこちらです。

~傾聴のその他のスキルはこちら~

1・・・要約

2・・・感情反射

3・・・感情の明確化

・横浜実践心理学教室 講師 ・カウンセリングルームこころ音 カウンセラー

元引きこもりのカウンセラー。現在は講師として、毎週(土)講義を行ってる。 目指すは、「記憶に残らないカウンセラー」。カウンセラーのおかげより、自分の力で前に進めた実感を持ってほしい。ただ、理想への道のりは長い!

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