「非言語は、いろんなことを物語る。」
僕たちは無意識にいろんなしぐさをします。
腕を組んだり、片方の腕をつかんだり、
姿勢を前後したり、こぶしをにぎったり、
唇をかんだり…。
そういった非言語に僕たちの感情が込められている
ということが多くあります。
最近ではいろんな本が出ていて、
こんなしぐさをしたら、こんな感情や心理の表れですよ。
なんて書いてあるものが沢山あります。
例えば、有名?なお話で腕を組んだら抵抗している
とよく言われ、いろんな本でも書かれています。
この「腕を組む」ということは、自分を守るということですので、
何かに抵抗している気持の表れである
と捉えるのです。
以前にあるカウンセリングのセミナーで、
ロールプレイの演習をした時に、
ある質問をされてそれに対して考えている時に、
僕は腕を組みました。
するとそのカウンセラー役の方から即座にこんなことを言われました。
「それは、抵抗ですね。腕を組まないでください。」と。(;’∀’)
いやぁ、さすがにそれは無いでしょ?
とちょっとというか、かなりイラっとしたのですが、(笑)
怒ってもしょうがないのでとりあえず我慢をして、
腕を解いたわけです。
でも、考えづらいのです。
いつも腕組んで考えますし…。
そしてその言葉を掛けられてからというもの、
もう信頼関係は崩れて、何を聴かれても本音やまともに答える気がなくなってしまいました。
いろんな本にこんなしぐさはこんな心理の表れですよ
って書いていますが、それは一理あるだけです。
つまり、そういう時があるというだけなのです。
それを人に当てはめて、今のしぐさはこういう意味です。
と指摘したり、当てはめて理解してもあまりうまくいきません。
僕のケースのように直線的に指摘することはないかと思いますが、
当てはめや決めつけは、相手を傷つけてしまいますし、
信頼関係を崩してしまうこともあります。
確かに理論に頼りたくなるものではありますが、
どんな「文脈」でその非言語が現れたのか、
どんな「流れ」でその非言語が現れたのか、
そういう背景を加味した上で理解することが大切です。
何か重要な本人が避けたい質問をされた時に腕を組んだ場合は、
心理的に何か守りたい気持ちの表れかもしれません。
ただ、腕を組んだ時にん~と上を見ながら考えるようなしぐさがあった場合は、
抵抗ではなくて自分の気持ちを吟味しているのかもしれません。
このようにその非言語がでた文脈や背景や、
他の非言語も総合的に見て判断する必要があるのです。
だから観察をする時は、一つの点ではなく総合的に見えて判断する。
そんなトレーニングが大切です。
傾聴基礎コースでは、そんな非言語に気づくトレーニングも行っています。