泣きすぎてしまう人というのは、

意志の力が一時的に弱まっていたり、

育まれていない場合があります。

 

意志の力とは、

自分の人生を望む方向へと、

向ける力であり、

自分という人間を、

気持ちや行動なども含めて、

自分のものとして律する力です。

 

「泣かないように頑張る。」

ということは、

この意志の力を育むことでもあります。

 

泣かなように頑張るとは、

我慢することもそうなのですが、

目的はそこではなく、

自分の気持ちを自分のものとして、

何とかしようとする経験を通して、

意志の力を育むことが目的なのです。

 

ですから冒頭のような方には、

次のようなトレーニングをすることがあります。

 

「涙をこらえる練習」です。

 

勿論、クライアントに意図を説明し、

合意を得た上で行っていきます。

 

具体的にどのようにやるのか?

は省きますが、

「涙が出そうになったら」

頑張って堪えたり、

「感情の波」にのまれそうになっても、

頑張って気持ちを言葉にしてもらったりします。

 

こういった取り組みを通していると、

「堪えている」だけに見えますが、

感情の海から少し顔を出せるようになってきますから、

自分がどんな荒波にいたのか、

それに気づきやすくなってきます。

 

ですから実際にこの取り組みをした際に、

クライアントさんはこのようなことを言っていました。

「頑張って気持ちを言葉にした方が、気持ちが落ち着いているのに気づいた。」と。

 

訳も分からず泣いてしまったり、

感情の波に飲み込まれそうな時、

こういった関わりは有効です。

 

ただ、この取り組みは、

ただじっと我慢してもらうだけではありませんし、

安全な場を提供しつつ、

クライアントに安心して取り組んでもらう必要がありますし、

感情の波に飲み込まれてしまった時に、

脱出できるような援助が出来る必要がありますから、

読んでいる皆様は、

専門的なトレーニングを受けた方以外は、

取り組まないようにしてくださいね。

・JCA カウンセリング・傾聴スクール 講師 
・カウンセリングルームこころ音 カウンセラー
元引きこもりのカウンセラー。現在は講師として、毎週(土)講義を行う。
都内のクリニックでカウンセリングも行っている。