うつ病だったり、不安症になったり、

何か心の病にかかったり、

心の悩みを抱えてしまう時が人生にはあります。

 

そういった時、僕たちは、

今その悩みを抱えている自分が以前の自分とは違い、

嫌な自分であるように捉えることが殆どです。

 

そしてそういった場合は、

往々にして「昔の自分に戻る。」ことを目指します。

 

でも、「昔の自分に戻る」ということは、

本当にベストな選択肢なのだろうか?

と思うことがあります。

 

というのも、

心の悩みを抱える時というのは、

その昔の生き方で行き詰って、

昔の生き方では、もう”何か”が耐えきれなくなって

心の症状(心の痛み)として表れていることがあるからです。

 

ですから、昔に戻ったとして、

また同じような生き方や、

同じような行動をしていたり、

同じように頑張ろうとしていたとしたら、

いつしかまた悩みを抱えてしまう可能性があるのです。

 

勿論、ご本人に心の悩みが起因していない場合もあります。

環境要因や社会的な要因などです。

こういった要因がかなり大きな割合を占めていれば、

昔の自分に戻ったとしても大丈夫でしょう。

 

そうでない場合は、

悩んだことを機会にして、

心の癖を変えることがカギを握ることが多いのです。

 

ですから、

心の病にかかったり、

心の重い悩みを抱えた時、

「昔の自分に戻る」ということ、

それだけでは、

長期的にみると十分な改善につながらないこともあるのです。

 

前は、笑えていた。

前は、楽しめていた。

前は、朝起きれていた。

前は、頑張れていた。

 

勿論そうでしょう。

 

そして僕たちが、

それが出来なくなったのには、

それなりの理由が隠れていることが多いのです。

 

そして、いつもそれを教えてくれるのは、

あなた自身の心なのです。

 

心は苦しんでもいますが、

その奥の奥には、

貴方の助けになりたいという願いがあり、

あなたの幸せを願っています。

 

だから僕たちは、

心の声を聞き、

歩き方を前よりも少しだけ、

前とちょっとだけ違う方向に、

前と少し違う歩幅で、

前と少し違う方向を見て、

人生を歩んでいく必要があるのです。

・JCA カウンセリング・傾聴スクール 講師 
・カウンセリングルームこころ音 カウンセラー
元引きこもりのカウンセラー。現在は講師として、毎週(土)講義を行う。
都内のクリニックでカウンセリングも行っている。