物事を決めないで、

時がすぎるのを待つというのは、

とても勇気がある決断です。

 

何かに僕たちはすぐに意味を付けます。

 

何かをしたら、

何かをされた、

あの人はダメな人だ。

自分はこういう人間だ。

といったように、すぐに何かを決めたがり、

何かに意味をつけたがります。

 

それはなぜかというと、

落ち着かないからです。

 

何も決めない状態というのは、

とても不快なのです。

 

でも、「○○さんの取り組みは上手くいかないかもしれない。」

といった時に、

いや大丈夫だ、

まだわからない

という姿勢も決めない、

つまり保留することです。

 

何かの判断をしないということは、

案外に勇気がいることなのです。

 

相手から言われたことに対して、

「そうかな。まだ分からない。」

といったような姿勢で取り組むのも、

保留と同じです。

 

どうするか決めないということは、

不確実さの中で待つことで、

その体験の中で、

感じている気持ちを感じるままでいるということです。

 

大切な人が亡くなった時、

後悔にさいなまれながらも、

何とかしたい気持ちもあるけど、

「何もしない。」ことを選んだ方がいました。

 

それも保留することですが、

それも勇気がいる決断です。

 

忘れようと決めた方が楽ですし、

少しずつ気持ちの整理をすると決めた方が幾分か楽です。

 

でもその方はそれをしなかったのです。

 

まだ決めないという決断は、

人生を決める大事な方針の一つなのです。

 

そして、その決断をした後に、

時間と環境要因が後押しをしてくれて、

物事が自然と決まってくるなんてことも往々にしてあるのです。

・JCA カウンセリング・傾聴スクール 講師 
・カウンセリングルームこころ音 カウンセラー
元引きこもりのカウンセラー。現在は講師として、毎週(土)講義を行う。
都内のクリニックでカウンセリングも行っている。