目標設定する時、

つまりクライアントのカウンセリングのゴールを設定する時、

それが否定系で語られたりすると、

なかなかうまくいかないことがあります。

 

例えば、

「緊張しないようになりたい。」

「周りのことを気にしないようになりたい。」

「不安を感じないようになりたい。」

といったようにこういった○○が無い状態を目標に語る方は多いですが、

これでは、旅行の行く先を決める時に

「ハワイはないな。」

「温泉もないでしょ。」

「○○がない所が良いな。」

といったように行きたくないところを設定しているようなもので、

結局行く先がわからず、決まらない状態になってしまいますし、

○○がないところは沢山あるので、たどり着けないわけです。

 

そこで、目的地を「○○したい。」という肯定的な言葉で

語って欲しいわけです。

 

そこで、それを肯定的に語ってもらう為に、

「周りのことを気にしなくなりたいですよね。」

「それで、周りのことを気にしなくなったらどうなりますか?」

と、周りのことを気にしなくなった先の状態を聞くことが出来ます。

 

そうすると、

「そうですね。今より自分に自信が持てるかな。」

となったりします。

 

でも、これもまた抽象的なゴールなので、

何が「自信」を示しているのかがわかりませんから、

具体化していくわけです。

 

その時に用いられる質問が、

「どんな自信を持っていると思う?」

といったように「自信の種類」を具体化していったり、

「今よりちょっと自信が持てるようになったとします。

するとどんなことから前より自信を持てるようになったかなと気付くと思いますか?」

「どんな瞬間に自分に自信が持てたとわかりますか?」

といったように、自信を持てた時の”変化”を具体的に聞いていったり、

「自信が持つと今と何が変わってきますか?」

「周りの人は、どんな違いからあなたが前よりも少し自信を持ち始めたなと気付くと思いますか?」

といったように自信をもったら変わってくる

目に見える変化を語ってもらうことで、

今と違う解決した先の行動パターンを見つけていき、

「そういう変化が起きると~さんとの間で何が違わってきますか?」

「そういう変化が起きると、他にも○○の面で何か変わってきそうだけど、その点はどう?」

といったように、

その変化から派生する違いに目を無を向けて、

それを行動課題へとつなげていくというやり方もあります。

 

上記は、ソリューション・フォーカスド・アプローチ(SFA)のゴール設定の際の質問です。

 

このSFAのゴール設定は、

解決したときの自分の行動パターンや

人などの環境要因の変化に目を向け、

そこから解決を作り出していく為のものです。

 

そして、解決に焦点を置いており、

解決した先のことを聞いていますから、

例外を聞いているという観点で、

イメージできない方はイメージできない場合があります。

 

僕もこのSFAの質問を使って、

ゴール設定をする時がありますが、

なかなか難しく、

上手くいかないことも多かったのです。

 

慣れるまでは、かなりトレーニングがいります。

というのも、

質問パターンは普段ほぼ使わないものばかりですし、

例外や違い、変化に焦点を当てていきますから、

答えられなかったり具体的に出来なかったりして、

躓いてしまうことがあるからです。

 

ただ、これはどのやり方を覚える時も共通ですから、

SFAの質問を学びたい方は、

「インスー・キム・バーグ」の本を検索して読んでみてくださいね。

・JCA カウンセリング・傾聴スクール 講師 
・カウンセリングルームこころ音 カウンセラー
元引きこもりのカウンセラー。現在は講師として、毎週(土)講義を行う。
都内のクリニックでカウンセリングも行っている。