『問題志向と解決志向。援助で大切なのはどっち?』

クライアントの強さに依拠して援助すること。

これはとっても大切ですが、

とっても難しく感じます。

 

というのも、僕たちは問題志向のトレーニングを

この世界を生きているだけで受けてきているようなのものですから、

しょうがないと言えばしょうがないのです。

 

原因と結果は、必ず存在しており、

仕事でミスをした時でも、

何かで上手くいかなかった時でも、

「原因は何だと思う?」と問われ、

同じ過ちを犯さないようにトレーニングされます。

 

勿論それでうまくいくケースもありますが、

心理カウンセリングの仕事になると、

そのA=Bという直線的な思考では上手くいきませんし、

問題ばかりを見つめていると、

相手の人間性よりも問題ばかりが目に付いて、

援助が上手くいかないのです。

 

だから問題志向ではなく、

解決志向をしていきましょう。

という単純なものではなく、

バランスがとっても大切だと最近感じます。

 

問題志向がダメだから、

解決志向が良いというのは、

極端すぎますし、

結局一方向のみを善しとする考えは、

あまりいい考えとは言えませんからね。

 

それぞれに長所があり、

それぞれに利点があるのです。

 

ですからそこを上手に、用いて援助をすることが大切だと、

最近気づいたのです。

 

問題ばかりを見てはダメなわけではないし、

解決志向で関わったり、

相手の長所ばかりに目を向けることが、

必ずしも良いわけではないのです。

 

相手の力強さに目を向けて、

その点を強化したり伸ばしたりする方向で、

心理カウンセリングの世界では、

問題が解決することがあります。

 

でも一方で、

人の心に苦しみを生む要因(根本原因ではない。)がある場合は、

それを学びなおしていく必要があります。

 

こちら側の思考は、

どちらからというと、

問題志向です。

 

ですから心理カウンセリングにおいては、

この両輪の視点で関わることが大切なのです。

 

1つのやり方に偏りすぎることなく、

援助側がバランス良く、

目の前の方にあった最善が選べるようになりたいですね。

・JCA カウンセリング・傾聴スクール 講師 
・カウンセリングルームこころ音 カウンセラー
元引きこもりのカウンセラー。現在は講師として、毎週(土)講義を行う。
都内のクリニックでカウンセリングも行っている。