孤独を抱える方は、寂しさや報われない感じを持っている場合が多いのです。
そういった方のお話を聞く時に大切なのはねぎらいです。
ただ、ねぎらう前に持っておいた方がいい視点があります。
それは「本当に孤独か?」という視点です。
本人は孤独といっているかもしれないけれど、
周りには支えてくれる人がいるかもしれません。
その場合は、孤独と感じてる気持ちにペーシングをしつつ、
その気持ちをねぎらい、繋がりや支えを思い出せるように、
そのようにお話を聞いていくことも大切でし、
実際のカウンセリングの場面ではその繋がりを感じられるように、
エンプティ・チェア・テクニックを用いたり、
イメージワークを用いてよりリアルにその支えや繋がり、
周りの人との関係が目の前の人の支えとなるように
具体的に援助していきます。
本当に孤独なら…?
もし、本当に友人や家族や支えになってくれる人がいない場合は、ねぎらいも大切ですが、ねぎらったとしてもその孤独感は消えません。
それは、一時的に楽になるけれど結局本当に孤独なので、また孤独感が強まるからです。
なので、そういった時に大切になってくることは、実際の人間関係を外の世界で作ってもらうことです。
勿論、相談者との人間関係をまずは築き、そこの関係から初めてもらうのでも構いません。
ただ、最終的には本人の生活に根差した形で人間関係を築けるように励ますことになります。
また、本当に孤独か孤独でないかに関わらず、孤独には寂しさや報われない感じが強くありますから、ねぎらいは有効です。
ただ、ねぎらう相手が例えば夫婦関係で孤独を抱えていたとしたら、ねぎらったとしても、やはり孤独感は”また”溜まっていってしまいます。
それは、なぜかというと夫婦関係が修復されてないからです。
勿論、ねぎらいによって感情のわだかまりが解消されて、その結果その方の対応が変わり、孤独感が解消される可能性はあります。
ただそうならない場合は、実際の2人の関係修復に取り組まないと、結局孤独感は癒えていかないのです。
このようにねぎらいは、主に感情のわだかまりの解消を目的としており、その人の元々の心の癖や、心理的悩みそのものに対して解消を目的としていないのです。
その為、ねぎらっても上手くいかないな~と思ったら、それはあなたが悪いわけでも、上手く聞けてない訳でもなく、その人の心の癖や関係性のテーマに対して取り組む必要があるのです。
ただ、日常生活においては友人にその解決を望むかというと多くの答えは「NO」だと思いますし、そもそも相手がその大切なテーマに対して取り組むことを望むかというと、そうとは限りません。
また、相手はその心の癖に気づいてないことも多いですから、本人が望まない限りは、余計なことをしないということも大切な援助となるのです。
では、僕たちに何が出来るの?
というと、もしあなたがそういった方(孤独を抱える方)に悩みを相談された時は、しっかりと受け止め、その話をすること自体にとっても勇気がいる事ですから、その気持を汲み取り声をかけ、ずっと抱えていたその気持ちを労わること。
これが僕たちにできる最善なのではないかなと思います。
そして、もし本人が望めば自分のつながりを活かして輪に入れるように援助する。
今それを望まなければ、あなたとその人とのその関係そのものが、その人にとっては孤独から離れる大切な時間ですから、いつでも相談に来れるようによき理解者であれるよう関係を築いていく。
そんな小さなことが大切なのです。
孤独は外側から癒していくことはできず、その人の内側から湧いてくる自分に対する思いやりや優しさ、人からの愛情を感じる力から生じるのですから。