僕が務めているクリニックのカウンセリングは、

2回目以降1回30分なので兎にも角にも時間がありません。

 

ですから、少しでも時間をより凝縮する為に、

新規のクライアントに最近こんなことをすることがあります。

 

それは、どのようなことかというと、

最初からすべてクライアントに語ってもらうのではなく、

カルテで読んだ情報である程度ポイントを絞って要約して伝え、

それで具体的に○○で困っているというのはどういうことでしょうか?

具体的に教えて頂けますか?

 

と伝えて、相手が事情を説明したり、

困っていることを話す時間を少しでも短縮する取り組みです。

勿論、この過程で最初から早めに労っていきます。

 

「今日は、ご相談に来て頂いてありがとうございます。」

「カルテを拝読したのですが、○○のお仕事をしていて人間関係でお困りで、

特に上司との関係でお困りということで、なんだか考えるだけで動悸がする

そんなことも書いてありましたが、

そんな中で今日はお越し頂いてありがとうございます。」

「それで、動機がするということで今は大丈夫ですか?」

「そんな中で、お仕事もいかれていらっしゃるんですね。すごいですね。」

「なかなか容易にそういった中で会社に行くことは、

出来ることではないと思うのですが、

何が会社にいく原動力になっているのでしょうか?」

といったようなことを聞いていって、

早めに労ったりすることがあります。

 

そしてその後、

「お話づらいかもしれませんが、具体的に上司との間で何があったか教えて頂けますか?」

と聞いて本題に入っていきます。

 

これで、経緯や事情を話してもらう時間を少なくできますし、

”労いが上手くいけば”、

分かってもらえた感じをクライアントが早く受け、

本音を早くしゃべってくれることがあります。

 

ただ、これはある程度援助側がわかっている風に話を聞きますから、

誤解が生じることがあったり、

「あれ?カルテに書いていませんでしたっけ?」

と言われてしまうこともありますし、

最初からあまりぐいぐい行き過ぎてしまうと、

自分が話したいのに…という感じを与えてしまい、

信頼関係が崩れてしまうこともありますし、

ちょっとリスクがあるやり方でもあるのです。

 

時間があれば、

やはりクライアントに話をしてもらった方がいいのですが、

時間がない時は、

この記事で書いたように、

援助側がある程度困ってそうな所を絞り、

確認したり労いながら聞いていったり、

整理をしていくことで、

限られた時間を有効活用することもできるのです。

 

ただ、先程も言ったようにリスクもありますから、

それを加味した上で参考までに、

こういった関わり方もあるということでお伝えさせて頂きました。

・JCA カウンセリング・傾聴スクール 講師 
・カウンセリングルームこころ音 カウンセラー
元引きこもりのカウンセラー。現在は講師として、毎週(土)講義を行う。
都内のクリニックでカウンセリングも行っている。