ユーモアを活用する。

さて、前回の記事(ユーモアを使う①)の続きです。

 

ユーモアを使ってクライアントを笑わせた時、

僕は次のようなフィードバックをすることがあります。

 

「いい笑顔ですね。」

「今は苦しいかもしれませんが、その笑顔をもっと増やしていきたいですね。」

→クライアントさんは、苦しみの闇にのまれていることがありますから、

「少しでも希望を取り戻していきましょうね。」

というとニュアンスと、

「苦しい中にも笑える力があるんだと少しでも光を見れたらいいな…。」

とそんな援助側の勝手な希望からです。

 

「自然と笑えるようになってきましたね。」

「ご自分を取り戻してきましたね。」

→笑い方が変化した所も観察をしながらチェックしておきます。

一番最初の頃は、悩みが一番苦しい時期にいますから、

笑顔がぎこちなかったりする方が多いのです。

 

ですから、その最初の笑顔とのギャップをフィードバックすることで、

自分が気づいていない良くなっている点を

認識してもらう為のものです。

 

これにより、

いい方向へと向かっていると感じてくれればという

これまた勝手なカウンセラーの願いが入っています。

 

「子供の頃の気持ちを忘れたと言っていましたが、笑い方は子供のそのものでしたよ。」

昔と変わってしまった。

何もかもダメになってしまったと感じている方に、

このようなフィードバックをすることもあります。

 

子供の頃の気持ちをすべて忘れたという方はいないですし、

どんなしぐさの一つにも、

その人の子供のころからの名残りが残っているものです。

 

それを見つけられれば、フィードバックしていくことがあるということです。

 

「笑ったのはいつぶりですか?」

これは、しばらく笑えてないという前提で聞いていますが、

最近笑えていたのなら希望が持てますし、

最近笑えていなかったけど今回笑えたのなら、

それも希望が持てます。

 

笑えるというのは、

心に隙間があるということですし、

どんなことで笑ったのかを聞ければ、

その人の好みもわかりますし、

ずっと悩みではなかったということを暗に伝えることにも繋がります。

 

全部意識してやっているわけではないですが、

こういったことをやっていることに気づきました。

 

ユーモアを使って笑ってくれたとしても、

それで希望が持てるかというと、

これは全く別問題です。

 

ユーモアを使って笑ってくれたとしても、

それで心の苦しみが減るかというと、

それも全く別問題です。

 

でも、

それでも、

苦しい瞬間が多い相談に、

ユーモアは、

何かしらの希望をきっともたらしてくれると、

そのようにも感じるのでした。

・JCA カウンセリング・傾聴スクール 講師 
・カウンセリングルームこころ音 カウンセラー
元引きこもりのカウンセラー。現在は講師として、毎週(土)講義を行う。
都内のクリニックでカウンセリングも行っている。