相手に思いを語ってもらうというのは、
とっても大切だなと改めて思いました。
カウンセリングをしていると、
労うことが多くなります。
労いは、相手の思いを汲むという過程が入りますので、
こちら側が汲み取った気持ちを伝えます。
つまり、相手がまだ言語化していない気持ちだったり、
そういった背景に思いを馳せて言葉を掛けたりもしますので、
クライアントは、援助側が汲み取った背景や思いを労いが届けば、
吟味して思いを馳せることになります。
すると、その気持ちを「分かってもらえた。」と感じますから、
その気持ちをより話すというよりは、
「そうですね…。そうなんです。」
という感じになることがあるのです。
すると、クライアントが援助側が汲み取った背景などを
語る機会が減ってしまうことも間々あるのです。
でも、こういう思いや背景は汲み取ることも大切ですが、
的外れになることもありますし、リスクもあります。
それに加えてやはりご本人に語ってもらった方がいい場合の方が多いのです。
さて、繰り返しになりますが、
僕は労うことが多かったので、
そのクライアントに自ら語ってもらうという援助をあまりしてきませんでした。
その為、先日先生に相談して、
そのトレーニングを受けたのでした。
そして、その翌日カウンセリングの機会があり、
出来る限りのことをして、
クライアントに大切な思いを話してもらうべく質問をしていったのでした。
例えばこんなように…。
「そんなにも苦しいのに、まだ頑張りたいと願うその大切な思いはどこから来ているのでしょうか?」
「頑張りたいですよね。頑張ることでどうなっていきたかったのですか?」
「その思いは、いつからお持ちだったんですか?」
「そのように頑張ることで、どのようなことを今まで乗り越えてきたのですか?」
「誰かを勇気づける人になりたいです。」
→「どんな勇気づけをしていきたいですか?」
「○○のような人になりたいです。」
→「その思いを抱くきっかけはあったのですか?」
→「もしかしたてそのように苦しい時、誰かに勇気づけてもらってきたのですか?」
「はい。学生の頃の友人がいて。」
→「どのような方で、どのような形で勇気づけてもらったんですか?」
→「他にもそのようにあなたを勇気づけて支えてくれた人は誰ですか?」
このように、
思いの奥にあるものを聞くことで、
相手に今表に出ててきている感情の背景を語ってもらったり、
その奥にあった大切にしたかったものを聞いていったり、
どのように乗り越えてきたのかを聞いて、
リソースを見つけるヒントになったりします。
そして、これらの質問を実践してみての何よりの気づきは、
思いの奥にあるものや、
ご本人に語ってもらうことで、
如何に頑張ってきたのか、
如何に大切にしてきたのかを語るその姿や、
その語りの中にある力強さを感じることで、
「こんなにも素敵な所がある。こんなにもこの方の中には希望がある。」
とそのように思えたことが、
何よりの気づきでした。
クライアントさんに語ってもらうことで、
こんなことをあっていいのかわかりませんが、
自分が救われたような気がしたのでした。
まだまだ身についていない部分がありますが、
どんな形にせよ、
クライアントさんが自分の気持ちを大切に出来るように、
大切に語ることが出来るように援助をしたいものですね。