自分の話や思いや考えが、
相手に伝わらない時はありませんか?
そんな時は、「表現する」と「伝わる」ことを区別すると役立つかもしれません。
どういうことかというと、
表現するということは、
自分の思いやイメージ・考え等の世界観を、
何かしらの形で示すということです。
例えば、体を通して表現する人もいるし、
絵を通して、ファッションを通して、
映像を通してといったように。
こういった自分の世界を表現するということはとても大切ですし、
とても得意な方がいます。
芸術家肌の方たちですね。
蛇足ですが、僕は残ながらその素養はありません。汗
話を戻しましょう。
そういった方たちは、自分の世界を「表現」することが得意です。
ただ、それが形として相手に伝わりやすいかというのは別です。
つまり、自分なりの世界観を表現することが上手でも、
相手に理解されるかは別だということです。
例えば、以前にファッションのオーディション番組を見た時に、
こんな方がいました。
「僕は、ファッションは表現だと思っている。」
という方です。
その番組は、10人が世界各国から集まって競い合うのですが、
僕の中では特にその方は奇抜なファッションをデザインする方で、
全く僕には理解が出来ませんでした。
でも、表現するのは独自の世界観があり、
すごいなとは感じていました。
そこでコメンテーターから毎回フィードバックがあるのですが、
結構辛辣でして、
「伝わらない。何を表現したいか分からない。」
「言いたいことはわかるし、表現力はすごいけど、消費者に伝わらないと意味がない。」
ということをその方にぶつけていたのです。
その方は、最初は意固地になって自分のデザイン(表現)にこだわっていましたが、
次第に幅広く伝わりやすく表現するようになっていました。
ここで何が言いたいかというと、
表現することと、伝わるとは別物だということです。
表現がいくら上手くても、
伝わらないことはあるのです。
なぜこのことをカウンセリング関連の記事で書いているかというと、
相手に思いを伝えるというのは、
自分主体の自分の表現だからです。
だからこそ、伝わらないことがあるのです。
よくどうやったら上手く伝わるかと困っている方がいますが、
そういう方は、自分の思いを自分の言葉で表現することが上手いのです。
だからこそ、相手にわかる形で、相手の言葉で表現することが苦手です。
つまり相手に何かを伝える為には、
自分の思いを自分の言葉でアーティストのように、
自分主体で表現することとは別に、
相手の言葉で相手主体に表現することも大切なのです。
そしてその為には、
自分主体の視点から、
相手主体の視点に切り替える必要があります。
なぜかというと、
相手主体になれば、
相手が困っていることや、
苦しんでいることがわかるからです。
それがわかれば、
どう伝えればいいのか、
どうすれば自分の表現が相手に伝わるのかがわかり、
伝え方も変わってきます。
つまり、相手に上手に表現する為には、
自分主体に表現することと同時に、
相手主体にして、
相手の思いを理解することも大切なのです。
だからこそ、自分の気持ちを表現する時は、
伝わりやすいように相手を理解する。
つまり受容や共感を示しながら、
相手を理解していくプロセスが大切なのです。